どれだけプレスを受けても焦ることはなく、毎試合のパフォーマンスにも全くブレがない。レアル・マドリードMFトニ・クロースはまさにチームの心臓と呼ぶにふさわしい存在だ。今季はイスコやマルコ・アセンシオなどの活躍もあって中盤の競争力は増したが、クロースには全く関係がない。
英『Squawka』によると、今季のチャンピオンズリーグで最も多くのパスを成功させた選手はクロースとなっている。その数は771本で、2位のアトレティコ・マドリードMFコケ(769本)、3位バイエルンMFチアゴ・アルカンタラ(712本)、4位がドルトムントMFユリアン・ヴァイグル(706本)を抑えてトップとなった。700本を超えるパスを記録したのはこの4人のみだ。
もちろんクロースは決勝まで戦ったため、試合数が他の選手より多くなっている。しかし、それだけが理由ではない。今季のレアルはターンオーバーを積極的に採用していたこともあり、クロースのチャンピオンズリーグでのプレイタイムは1026分となっている。一方でアトレティコMFコケはそれを上回る1042分を記録しており、プレイタイムでは両者に差はほとんどない。パス成功率ではコケが86%、クロースが93%と後者が上回っている。
決勝のユヴェントス戦でも、先制点のきっかけを作ったのはクロースだった。クロースが中盤からドリブルで持ち上がり、カリム・ベンゼマに縦パスを入れたところから攻撃がサイドに展開され、最後はクリスティアーノ・ロナウドがゴールを決めている。どうしてもロナウドに注目がいくが、相手に寄せられながらも粘って縦パスを入れたクロースの技術も見逃してはならない。
以前元バルセロナMFシャビ・エルナンデスがクロースと自身のスタイルが似ていると語っていたが、クロースはシャビと同じくどんな状況下でもゲームをコントロールできるパーフェクトなMFと言えそうだ。