2018年こそ”ネイマールの年”になる!? メッシ、C・ロナウドの怪物2人を超えて世界最高の選手へ

年齢的にもそろそろ世界のトップへ

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バルセロナで輝き放つネイマール photo/Getty Images

レアル・マドリードのガレス・ベイル、バルセロナのネイマール、アトレティコ・マドリードのアントワーヌ・グリーズマン、マンチェスター・ユナイテッドのポール・ポグバ、チェルシーのエデン・アザール。彼らはいずれバロンドールを獲得できる素質があると言われている。その中でも、現在最もチャンスがあると考えられるのはネイマールではないだろうか。

今年はユヴェントスに3冠のチャンスがあり、すでにコッパ・イタリアとリーグ戦を制して2冠は確定している。あとはチャンピオンズリーグ決勝のレアル・マドリード戦のみだ。仮に3冠を達成できればジャンルイジ・ブッフォンなどユヴェントスの選手がバロンドールに選ばれる可能性があり、その場合は2008年以降続いているリオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドの支配がストップすることになる。ネイマールにチャンスがあるとすればその次の2018年だ。

今季のネイマールは得点数が伸びてこないと批判も受けたが、メッシに代わってチームの主役になる機会は確実に増えている。チャンピオンズリーグ1回戦2ndレグではPSG相手に好パフォーマンスを披露し、終盤の劇的逆転弾を呼び込んだ。5月のビジャレアル戦でも魔法のようなドリブルを連発しており、メッシが霞んでしまうことも珍しくなくなった。データサイト『Whoscored.com』によると、ネイマールは欧州五大リーグにおいてトップの1試合平均5・7回のドリブルを成功させており、突破力ではメッシとロナウドをすでに上回っている。2人の領域に近づくためにはもう少し得点数が欲しいところだが、一昨季はシーズン39得点、昨季も31得点を記録するなどゴールを奪う力も持っている。シーズン40得点超えを目指すことも不可能ではないだろう。
そんなネイマールにとって2017-18シーズンは勝負となる。バロンドールを獲得するためには個人の成績に加えてビッグタイトルが必要で、これはバルセロナに所属している限り獲得のチャンスがある。さらに2018年にはワールドカップが控えている。このタイトルを獲得するのは簡単ではないが、今のブラジル代表は非常に興味深いチームに仕上がっている。エースのネイマールに加えてマンチェスター・シティでセルヒオ・アグエロからレギュラーポジションを奪わんとするFWガブリエル・ジェズス、リヴァプールで抜群のコンビネーションを見せるMFフィリペ・コウチーニョとFWロベルト・フィルミーノ、中盤にはレアル・マドリードの潰し屋カゼミーロ、サイドバックにはマルセロとダニエウ・アウベス の世界最強コンビ、アウベスと同じユヴェントスにはアレックス・サンドロもいる。センターバックにもチアゴ・シウバやマルキーニョス、さらにチェルシーで成長したダビド・ルイスもいる。ベンフィカで評価を高める23歳のGKエデルソン・モラレスなど若いタレントも確実に育っており、すでに南米予選通過を決めるなど順調だ。来年のワールドカップでは間違いなく優勝候補の一角になるはずだ。

一方でメッシのいるアルゼンチン代表は南米予選で苦戦しており、主力がベテランの域に入ってきたことを考えても翌年のワールドカップで優勝候補に推すのは難しい。ロナウド擁するポルトガル代表はEURO2016を制覇しているが、ペペやジョゼ・フォンテなどチームを支えたセンターバック陣の状態は気にかかる。EUROと同じくワールドカップも制すると予想している者はそれほど多くないはずだ。ネイマールにとって2018ワールドカップは怪物2人と違いを作る1つのチャンスと言えよう。

また、次期バロンドールを争うライバルの動きもポイントだ。ベイル、ポグバは今季評価を落としており、来年のバロンドール獲得はあまり現実的とは言えない。ベイルは怪我が多く、まずはシーズンをフルで戦えるコンディションを整えないことにはバロンドールを目指すのは難しい。昨夏マンUに移籍したポグバもまだ実力を発揮できていない状態で、来季のタイトル獲得もそれほど現実的な話ではない。フランス代表はワールドカップの優勝候補だが、それならグリーズマンの方がバロンドールに近いはず。アザールにはレアル移籍の話題があるが、仮に移籍したとしてもいきなり主役になる可能性は低い。来季もチームの中心はロナウドで、アザールも他の選手と同じく脇役に回ることになるだろう。 さらにリーガ・ エスパニョーラの環境に適応する時間も必要だ。チェルシーに残留した場合は来季もチームの王様だろうが、チャンピオンズリーグの獲得など欧州のビッグタイトル獲得はまだ難しいだろう。

こうして考えると、現時点で次期バロンドール候補と言われる選手たちの中ではネイマールが最も獲得の可能性が高い存在と言えるのではないか。ポグバのマンU、グリーズマンのアトレティコ、アザールのチェルシーに比べるとチャンピオンズリーグ獲得の可能性が高いのはバルセロナで、ブラジル代表も来年のワールドカップ制覇を目指す力はあるはず。そうなると両方のタイトルに最も近いのはネイマール、次いでフランス代表とアトレティコのグリーズマンとなるだろう。

あとは来年30歳になるメッシ、33歳になるロナウドがこれまで通りの異常な成績を残すのかがポイントとなるが、ネイマールにとって2018年はサッカー界の主役になる1つのチャンスと言える。来年には26歳と年齢的にも選手として最も良い時期を迎えることになり、ワールドカップのタイトルと合わせて世界最高の座を掴むには絶好のタイミングとなるはずだ。メッシとロナウドが引退したら……といった消極的な意見も目立つが、ネイマールには怪物2人が現役の間に世界最高の座から引きずり下ろしてもらいたい。

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