先日、監督業を1年間ほどストップさせることを表明したルイ・ファン・ハールは若手の育成に長けた指揮官として有名だ。ファン・ハールの指導を受けた選手たちからは難しい監督と言われることもあるが、若手の才能を見抜いて育てる能力は確かだ。英『Squawka』もファン・ハールの指導力を絶賛しており、ひとまずこれまでの監督キャリアの中で育て上げた選手を紹介。ここに出てくる選手の名前を見るだけでも、ファン・ハールがいかに優れた指揮官かが分かってくるはずだ。
まずオランダの名門アヤックスでは、エドガー・ダービッツやクラレンス・セードルフ、パトリック・クライファートらを育て上げ、国内リーグやチャンピオンズリーグなど複数のタイトルを獲得。まさにクラブ史に残る最強チームを作り上げた。
その後のバルセロナでは、代表的なところで言えばシャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタの天才MFコンビ、そしてDFカルレス・プジョルをトップチームに引き上げている。いずれもジョゼップ・グアルディオラが率いた最強のバルセロナで中心的役割を担った選手で、これもファン・ハールの指導があればこそだ。
バイエルンでは、今や世界トップレベルのマルチプレイヤーになったダビド・アラバ、現在は負傷で苦しんでいるホルガー・バドシュトゥバー、FWトーマス・ミュラーらを育て上げた。ミュラーもファン・ハールを特別な指揮官と語っており、ファン・ハールはドイツ代表をワールドカップ優勝に導く原動力になった男の育成に大きく貢献した。
さらに昨季まで率いたマンチェスター・ユナイテッドでは、マーカス・ラッシュフォードを大ブレイクさせた。今でこそトップチームに定着しているが、ファン・ハールが抜擢しなければジョゼ・モウリーニョのチームでラッシュフォードが頻繁に起用されることもなかっただろう。その他にも大成功とは言いづらいが、タイラー・ブラケットやパディ・マクネア、ティモシー・フォス・メンサーらを抜擢している。
ファン・ハールは独特な哲学を持った指揮官だが、若手を大胆起用するなどチームのベース作りが上手い。ファン・ハールの築いたものを頼りに戦った後任監督も多く、やはり育成面ではずば抜けた能力を持った指揮官だと言えるだろう。