レアルを追い込んだ鹿島の石井監督「レフェリーの方が勇気を持てない場面があった」

鹿島の選手は勇気を持って戦うも、レフェリーに勇気がなく……

鹿島の選手は勇気を持って戦うも、レフェリーに勇気がなく……

鹿島アントラーズを率いる石井監督 photo/Getty Images

レアル・マドリードをあと一歩まで追い込んだ鹿島アントラーズの石井正忠監督が、「本当に悔しい」と試合後に惜敗を振り返った。

9分という早い時間に失点したものの、各選手がしっかりと足を動かし、ボールを追いかけ続けた。「(鹿島アントラーズは)走り回り、戦っていた」と語ったのはレアルのジネディーヌ・ジダン監督で、柴崎岳の2得点で一時はリードを奪った。その後にPKを許して追いつかれ、延長前半に2点を奪われて2-4で敗れたが、90分間が終了する間際に怒濤の攻撃を仕掛ける流れがあり、十分に世界王者となるチャンスがあった。

「あのレアルを本当に苦しめることができました。ちょっとしたポジショニング、プレイの判断ミスで失点していたので、悔しい思いでいっぱいです」
石井正忠監督がもうひとつ指摘したのが、後半なかばに金崎夢生がセルヒオ・ラモスに倒された場面だ。抜け出していれば得点チャンスになる可能性があり、セルヒオ・ラモスには警告が出されて然るべきプレイだった。この時点ですでにセルヒオ・ラモスは1枚警告をもらっており、2枚目となって退場……というシーンだった。セルヒオ・ラモスも自身の運命を悟り、思わず天を仰いでいた。

ところが、一度は胸ポケットのイエロー・カードを探ったレフェリーだったが、2枚目だということに気づき、逡巡したすえに警告を出すのを止めてしまった。残念ながら、サッカーではときおりこういうことがある。2枚目の警告を出すと退場という場面で、レフェリーがためらうことが……。

「選手たちは120分間本当によく戦ってくれました。それだけに、レフェリーの方が少し勇気を持てなかった場面があったのが残念です。選手たちはいつまでそのことに気持ちを持っていかれず、最後の最後までよく戦ってくれました」

石井正忠監督はつとめて冷静にコメントしたが、公式戦でレアルと対戦できる機会はそうない。しかも、クラブW杯の決勝である。本気で世界一を目指す鹿島アントラーズの選手たちは、立ち上がりから勇気を持って戦っていた。それだけに、勇気が出なかったレフェリーのひとつのジャッジが目立つ結果となってしまった。

文/飯塚健司

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