シュート0、クロス0でもチーム第3位のスプリント ガンバで”王様”だった宇佐美が示した「献身性」 

弱点でもある走力を克服できるか

弱点でもある走力を克服できるか

守備に走った宇佐美 photo/Getty Images

ついに今夏アウグスブルクに移籍したFW宇佐美貴史に先発出場のチャンスが巡ってきた。これまでは途中出場が精一杯といった状況だったが、ディルク・シュスター監督解任後の初陣となった18日のボルシアMG戦で宇佐美は先発に抜擢。ステファン・シュヴァルツスカウト部長らからの評価は高かっただけに、さっそく監督交代が良い方向に進んだように見える。

しかし、問題は先発のチャンスを活かせるかだ。宇佐美に求められているのは走力だ。ガンバ大阪ではパトリックとともに攻撃の主役だったが、アウグスブルクではそうはいかず、チームの歯車として守備にも走らなければならない。しかもアウグスブルクは下位に沈んでいるチームであり、今回のボルシアMG戦も相手に57%のポゼッションを許している。サイドで先発した宇佐美も守備に回る機会が増え、思い通りのプレイはできなかったはずだ。

データを見ても、宇佐美は攻撃面でインパクトを残せていない。交代する87分までシュートはゼロ、クロスもゼロ、パス成功本数は14本だ。攻撃面での活躍が期待される宇佐美にとってシュート数ゼロは不本意な数字だろう。また、この試合ではよく走らされている。
宇佐美はチームで3番目に多い21回のスプリントを記録しており、クリストフ・クラマーに対して激しいタックルを仕掛ける場面もあるなど、守備面ではよく走っていた。この試合での宇佐美の走行距離は9・82Kmとなっているが、逆サイドの右に配置されたジョナタン・シュミットは11・02Km走っている。今後も宇佐美がサイドに配置されるのであれば、もっと守備に走ることがマストになる。

問題は走らされた展開でも攻撃に絡めるかどうかだろう。ヘルタ・ベルリンや日本代表で原口元気が実践しているように、アップダウンの中で攻撃でも違いを作っていかなければならない。走力はテクニシャン・宇佐美の弱点の1つと言われてきたが、2度目の海外挑戦でその部分を克服できるのか。まだクリアすべき課題は多そうだ。

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