岡崎の”純粋な笑顔”こそレスターの忘れ物 昨季王者のモチベーションは下がっていないか? 

結果を出したいとの純粋な感情

結果を出したいとの純粋な感情

得点を喜ぶ岡崎 photo/Getty Images

22日にクリスタル・パレスと対戦したレスター・シティは、日本代表FW岡崎慎司の得点もあって3-1の勝利を収めた。なかなか出場機会の増えなかった岡崎にとっては貴重な得点となったが、これはチームにとっても非常に大きな意味を持つ得点となったのではないか。

岡崎の得点だけではない。この試合の先制点を記録した新加入のアーメド・ムサの得点も同じだ。彼らは出場機会の確保に苦しみ、今回のチャンスを活かそうと意気込んでいた。ムサも加入当初はジェイミー・バーディと快速2トップを組むと期待されたが、イスラム・スリマニの加入で状況は一変。左サイドに回ることになり、そこでもマルク・オルブライトンとのポジション争いで後れを取ってしまっていた。

今回の試合に臨む彼らには確かなモチベーションがあり、それは得点を決めたあとの両選手の顔を見れば分かってくる。岡崎もムサも天を見上げるようにゴールの感触を味わい、やっと決められたという達成感が表れていた。何が何でも結果を残すという強い意志こそ、今季のレスターに欠けていたものではなかったか。

昨季奇跡のプレミアリーグ制覇を達成したレスターには、奇跡を起こすという特別なモチベーションがあった。それを達成してしまった今季は、同じモチベーションを維持するのは難しい。決して気が緩んでいるわけではないだろうが、昨季ほど気持ちが盛り上がらない選手もいただろう。特にポジションが確約されているバーディ、マフレズには昨季ほどの必死さが感じられない。

一部ではマフレズの守備への貢献度が下がったとの声もあり、悪い意味で王者の風格が身についてしまったのかもしれない。今夏にはビッグクラブからも注目され、トップレベルの選手に近づいたとの自負もあったはずだ。しかし今回の岡崎とムサのパフォーマンスには、とにかく結果を出したいとの必死さと純粋な思いがあった。

今回指揮官のクラウディオ・ラニエリはバーディをベンチスタートにする選択を下したが、これはエースに休養を与えたこと以上に価値のある選択だったと言えよう。岡崎のパフォーマンスはバーディにとって強烈なメッセージとなり、自身も結果を出さなければ危ないかもしれないとの危機感を抱いたはずだ。それはバーディに確かなモチベーションを与えることになるだろう。

今季なかなか調子の上がらなかったレスターには、エンゴロ・カンテを失ったから、献身的に守備をしてくれる岡崎をベンチに置いているからなど、様々な意見があった。しかし、岡崎やムサが見せた結果への欲望もチームに欠けていたものの1つだ。今回の勝利は順位表で見ればただの勝ち点3だが、チームが忘れかけていた何かを思い出すきっかけとなる重要な試合になったはずだ。岡崎とムサのパフォーマンスが、強いレスターを呼び起こすことになるかもしれない。

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