[今、一番面白いチームはレスターだ! 4]なんでキツネなの? レスターのエンブレムが紡ぐ歴史

雄大な草原広がる中部に100年超の歴史を誇る

雄大な草原広がる中部に100年超の歴史を誇る

キツネの顔が印象的なレスターのエンブレム photo/Getty Images

正面から見たキツネの顔が描かれたエンブレムが印象的なレスター。昨季は何とか残留し、開幕前の目標は「残留」だったが、日本代表FW岡崎慎司の活躍もあり、プレミアリーグ初優勝に向けて、ひた走っている。正式名称はエンブレムの周囲にも描かれているように「レスター・シティFC(Leicester CityFootball Club)」である。

1990年代後半から2000年代初めまでもプレミアリーグで戦っており、かつては地元出身で元名古屋グランパスのガリー・リネカーや、エミール・ヘスキーなどが在籍していたことで知られる。その後は下部リーグでの戦いが続き、2007-08シーズンには3部降格の憂き目もみた。1年で2部に昇格したものの2010年、クラブが財政的に困窮したため、タイの資本家ヴィチャイ・スリヴァッダナプラバが経営権を取得。そして、2014-15シーズン、03-04シーズン以来のプレミアリーグに再昇格を果たした。ちなみに、2010-12シーズンの2年間は、元日本代表MFの阿部勇樹(現・浦和レッズ)も在籍している。

レスターの本拠地は中部イースト・ミッドランズ(East Midlands)にあるレスターシャー(Leicestershire)州にある単一自治体で、約30万人のレスター市である。2000年ほど前にローマ人によって建てられた歴史ある都市で、大学や運河、ローマ時代の遺跡などがあり、ロンドンからは電車で75分ほどの立地にある。
そんな街に、1894年、グラマースクールの生徒たちによって前身の「レスター・フォッセ(Leicester Fosse)」が創設。19世紀末から、基本的には現在に通じるロイヤルブルーのユニフォームを着用している。1919年、第一次世界大戦後の財政難の影響もあり、改変されて現在のクラブ名となった。

シンボルとなったキツネ、なんと昔は横顔だった!

シンボルとなったキツネ、なんと昔は横顔だった!

マスコットもキツネ……なのか!? photo/Getty Images

2002年にはフォントを太くし、2009年にはクラブ創設125周年バージョンのエンブレムも使用していた。さらに2010年からはフォントを修正し、現在のエンブレムとなったが、基本的には1992年のデザインからは変更はない。

やはりチームが強くなると、エンブレムもどことなく誇らしげに見えてくるものである。イタリア人の名将クラウディオ・ラニエリが率いる〝キツネ軍団"は、数々の強豪ライバルを押しのけて、悲願のプレミアリーグ初優勝なるか。そうなった暁には、今も生息しているキツネたちもきっと嬉しいに違いない。

文/斉藤 健仁

theWORLD172号 2016年3月23日配信の記事より転載

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