[UCL/UEL欧州戦力図 3]最強バルセロナに挑むアーセナルに勝機はあるか!?

異常な強さを見せるバルサ アーセナルは防戦必至

異常な強さを見せるバルサ アーセナルは防戦必至

2011年の対戦では、アーセナルは先勝するも最強バルサの壁を崩すことはできず、敗れ去った photo/Getty Images

リオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマール……。バルセロナの3トップは“反則”だ。個々の力でいとも簡単に決定機を創り、絶妙のコンビネーションで相手DF陣を混乱に陥れる。20節終了時点のスペイン1部リーグでは、3人合わせて44得点(異常だ)。チャンピオンズリーグでも、グループステージだけで10得点を記録した。しかも、コパ・アメリカの疲労を引きずって、である。コンディションが整ったとき、この3トップはどのようなパフォーマンスを発揮するのだろうか。

また、フットボールI Qの高さが各方面で絶賛されるセルヒオ・ブスケッツ、ハードワークで貢献するイバン・ラキティッチ、いぶし銀をさらにいぶしたアンドレス・イニエスタなど、今シーズンのバルサは世界最強といって差し支えないメンバーを擁し、移籍禁止令のために選手登録だけに留まっていたアルダ・トゥラン、アレイクス・ビダルが、この1月から戦力として計算できる。現行ルールでは初となるチャンピオンズリーグ連覇も、決して夢物語ではない。

しかし、ラウンド16で彼らの前に立ちはだかるのがアーセナルだ。よもやの連敗スタートとなったグループステージでも盛り返し、最終的には3勝3敗で16シーズン連続のラウンド16へ進出した。

チェルシーから移籍したGKペトル・チェフの好守は軽さと脆さが目立っていた最終ラインに落ち着きをもたらし、ハムストリングを痛めて昨年11月から戦列を離れていたフランシス・コクランも、バルサ戦には十分フィットできる確率が高くなってきた。受け身の試合展開が予想されるため、最終ラインの前で守備レーダーを巡らせるコクランの復活は非常に大きい。

アーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督は、一時ほどボールキープにこだわらなくなってきた。胸の奥底に理想を秘め、より現実的なスタイルを選択する場合もある。昨シーズンのプレミアリーグ第22節、対マンチェスター・シティ戦で2-0の勝利を収め、今シーズンのチャンピオンズリーグ第3節、バイエルン・ミュンヘンをやはり2-0で破ったカウンターが、バルサ戦でも奏功する可能性は十二分にある。そう、プレミアリーグで鍛えられたフィジカルと走力をベースに闘うことだ。

バルサDFの背後に広がる“おいしいスペース”

バルサDFの背後に広がる“おいしいスペース”

古巣対戦となるアレクシス。胸に秘めたものは大きいはず photo/Getty Images

そして、セオ・ウォルコットのようなスピードスターが、アーセナルのカギを握っている。世界最高の破壊力を持つ攻撃陣に比べれば、バルサ守備陣は非力だ。ウォルコットの速さに対抗できる選手はひとりもいない。しかも、比較的浅めのライン設定であるため、ウォルコットには“おいしいスペース”が用意されている。最終ラインの背後でボールを受け、そのままドリブル独走というシーンもあるはずだ。

また、アレクシス・サンチェス、アレックス・オクスレイド=チェンバレンなど、ウォルコット同様に縦への推進力がある選手を重視し、その選手起用でチーム内にカウンターの意識を徹底させることも、ヴェンゲル監督が練るべきプランのひとつだろう。さらに、足首を痛めて長らく戦列を離れていたダニー・ウェルベックも、バルサ戦までにはコンディションが整っているに違いない。推進力とスタミナには定評があり、なおかつ守備意識も高いため、ウォルコットの背後に配置し、ブスケッツのマークを担当させるアイデアも悪くない。

ポゼッションはバルサが上回る確率が高い。アーセナルは我慢が続く。ただ、決して撃ち合いを挑まず、チャンスが訪れるまで息を殺して待ち続け、ワンチャンスをモノにする。ポゼッションこそ〈フットボールの美〉と信じて疑わない一元論者の批判と不評を買う闘い方を貫くことが、アーセナルをベスト8に導くはずだ。

カウンターの凄みを見せつけてやれ!

文/粕谷 秀樹

theWORLD170号 2015年1月23日配信の記事より転載

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