[プレミア最強ガイド2015-16]エース批判で勃発した意外な賭け

ファン・ハールの「デブ」発言が波紋呼ぶ

1月18日のリヴァプール戦で決勝ゴールを挙げ、リーグ戦5位浮上に貢献したマンチェスター・ユナイテッドのウェイン・ルーニー。この1週間は、彼を巡る発言が騒動を巻き起こしました。

12日のニューカッスル戦後の記者会見でルーニーに対するコメントを求められたユナイテッドのルイ・ファン・ハール監督は、チームの主将に対する批判に反論しようと、「もうウェインの話はしない。彼を批判してきたのは君たちじゃないか。私はしていない」と不快感を露わにしたところ、ある記者が「You too(あなたもね)」と発言しました。

すると激昂した指揮官がその記者を指差し、「You too, fat man, there」と声を荒げて会見場を後にしたのでした。
この「デブ」発言が世界中で報道され大きなニュースになりましたが、侮辱された記者はさっそく紙面で逆襲に出ました。英紙『ザ・サン』のニール・カスティス記者は同紙で5月末までに、体重28ポンド(約12.7kg)を減らすダイエットに挑戦することを発表。「ユナイテッドが勝ち点28を獲得できるかどうかの この企画に賛同したブックメイカー会社「パディー・パワー」は、早速、勝者には好きなチャリティー団体に寄付できる賞金として1000ポンド(約167000円)を提供することを発表しました。

21試合で34ポイントを獲得していたユナイテッドにとって、残り17試合で28ポイント獲得は決して難しくはないハードル。今後、このバトルは同紙面で状況報告されていくことでしょう。

渦中のルーニーですが、復調の兆しが感じられます。その理由を元チームメイトで解説者を務めるリオ・ファーディナンドは、「ウェインは周りの選手を追い越して走ることで輝ける選手ではない。彼を越えて走っていくチームメイトが必要なんだ。それが最近の試合では見られるようになった」と分析しています。

リヴァプール戦で見事なボレーシュートを決めたルーニーは、ユナイテッドでのプレミアリーグ通算ゴール数を176に伸ばしました。これでティエリ・アンリがアーセナル時代に残した175を超え、単独トップの記録を樹立しました。

ルーニーを巡る騒動や話題は今後も収まる事はないはず。それを巧妙に乗り越える術を指揮官や選手は求められているのです。

文/西岡 明彦
theWORLD170号 2015年1月23日配信の記事より転載

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