ユースは最強なのに……FAが自国の選手が育たないイングランド代表の改革へ

外国人選手を買いあさる上位陣を問題視

最近はイングランド代表にもトッテナムFWハリー・ケインやエヴァートンDFジョン・ストーンズら将来が楽しみな若手選手が出てきたが、FA(イングランドサッカー協会)はこれに満足していない。なぜなら、彼らはプレミアリーグの中でも中堅~準強豪にあたるクラブで、マンチェスター・ユナイテッドやチェルシーといったチャンピオンズリーグ出場権を持つビッグクラブでは自国の若手が育っていないからだ。

英『デイリー・メール』によると、FAの会長を務めるグレッグ・ダイク氏はプレミアリーグのクラブがユースチームの選手を上手く引き上げることができていないことを残念に思っており、ホームグロウン制度の改革で若手選手をトップチームに引き上げさせることを狙っている。

現在のホームグロウン制度は、国籍にかかわらず21歳の誕生日までにイングランドサッカー協会かウェールズサッカー協会のクラブに3年間所属していた者は自国の選手と認定されることになっている。そして同会長は2016年からチームに最低8人のホームグロウン・プレイヤーを入れることを義務化し、2020年には8人から12人へ増やす考えを持っている。同会長は例としてチェルシーを挙げ、外国人選手が増えすぎていることに危機感を強めている。
「クラブはアカデミーの充実に大金を投じているが、それが活かされていない。チェルシーのアカデミーは国内でもベストな環境を整えているが、そこ から引き上げた選手でトップチームのスタメンに入っているのはジョン・テリーくらいだ。彼らはどんどん外国人選手で満たされるようになってきている。イングランドの若手選手のほとんどはトップレベルでプレイできていない状態で、恐ろしいことに16歳で契約した選手の70%以上が20歳になるまでに脱落しているんだ」

チェルシーのユースチームは昨季のUEFAユースリーグを制しており、9試合で33ゴールを挙げる破壊力を見せている。しかし、その中からトップチームへ引き上げられる選手はほとんどいないのが現状だ。イングランド代表が近年の国際大会で結果を残せていないこともあり、同会長はプレミアリーグの制度を厳しくして代表チームの強化に繋げたい考えだ。チェルシーやマンチェスター・シティも今は海外から優秀な選手をお金の力で引き抜いているが、近い将来そのやり方は通用しなくなるかもしれない。

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