[躍進するストライカーたち 3]イタリアを席巻するアルゼンチンストライカー 今季この3人のプレイを見逃すな

アルゼンチン人アタッカーがなぜイタリアで活躍するのか

アルゼンチン人アタッカーがなぜイタリアで活躍するのか

スクデット獲得に貢献したテベス photo/Getty Images

イタリアでは、今も昔も、アルゼンチン人アタッカーがセリエAを盛り上げている。古くはラモン・ディアスが活躍し、ガブリエル・バティストゥータ、エルナン・クレスポ、最近ではカルロス・テベスがユヴェントスをけん引した。

昨シーズンはマウロ・イカルディがルカ・トーニと並んでセリエAの得点王となり、今シーズンはゴンサロ・イグアインがあらゆるクラブの脅威になっている。ユヴェントスでは、パウロ・ディバラの左足が絶好調だ。

アルゼンチン人アタッカーがなぜイタリアを選ぶのか。それは歴史的な背景が強い。アルゼンチンにはイタリア系アルゼンチン人(イタロ=アルジェンティーノ)が多く、先祖をたどればイタリア人の血が混ざっているということは珍しくない。かの有名なディエゴ・マラドーナもイタリア系アルゼンチン人で、さらに言えば、バルセロナのリオネル・メッシもイタリア系の血を引いている。

もちろん、これに該当しない選手も多くいるが、密接な関わりがある2つの国だけに、そこを結ぶパイプも強力。この2つの国をつなげることを得意とした代理人やスカウトも数多くいる。

今季も目が離せない3人のストライカー

今季も目が離せない3人のストライカー

今季ユヴェントスに加入し活躍を見せるディバラ photo/Getty Images

インテルのイカルディは、完全にゴール前の選手だ。今シーズンはゴールが極端に減っており、かなり非難にさらされているが、それでもチーム内得点王だ。今季のゴールはいずれもエリア内からのもの。得点以外の部分で大きな貢献ができるタイプではないが、12日に行われたウディネーゼ戦では、相手のミスをついて2ゴールを決めた。いずれも外したら文句を言われるような決定機だったが、そういったところでしっかりと決める得点力が彼の売りであることは間違いない。

シーズン序盤にロベルト・マンチーニ監督が繰り返し語っていたことだが、ステファン・ヨベティッチとの連係が向上すれば、得点のペースは飛躍的に上がるかもしれない。

今シーズンからユヴェントスでプレイするディバラは、もう一列下の選手というイメージだ。スピードとテクニックを併せ持ち、エリアの外でも仕事をするアタッカーである。カウンターとなれば、先陣を切って駆け上がり、相手が引いたなら自ら勝負。その選択が早くて正確なことも、活躍の理由だろう。裏を警戒しようとしたら、下がってボールを受けて左足のミドルシュートを放つ。

アタランタ戦とラツィオ戦では、遠めの位置から精度の高いシュートを放ってゴールを決めた。「敵が引いてくるならミドルシュートでDFを引き出す」というセオリーを1人でやってしまうことができる。ここまでのゴールが左足だけという点は対戦相手からしたらありがたいデータだ。しかし、左足だけでセリエAの戦術を突破しているのだから、並大抵ではない。

だが、やはり今シーズンのセリエAをイグアイン抜きに語るのは不可能だろう。22歳の若者2人も頑張っているが、過去最速ペースでゴールを量産するナポリのエースは別格。上記の2人の特長を併せ持っている。

まずは第2節サンプドリア戦を振り返ってみよう。この試合でイグアインはドッピエッタ(1試合2ゴール)を達成した。1点目はスルーパスに抜け出して左足で柔らかいタッチ。飛び出したGKの足先を越えて、ゴールに流し込んだ。2点目はスルーパスを右足で強烈にシュート。左右も強弱も自在であることを示す。さらに、右足のミドルシュートも巧さがある。

ディバラのような鋭いシュートではないものの、グラウンダーのミドルは良い具合にゴールの隅へと転がっていく。ミドルもあるから相手はうかつに飛び込めない。そう考えている時点で、相手はもう後手に回っているのだ。

エルナン・クレスポが絶賛するゴールがあった。11月30日のインテル戦で決めた2点目のゴールである。今季のインテルは鉄壁が売りだが、中でもミランダとムリージョのセンターバックが抜群の存在感を放っている。その2人の間に出た浮き球のスルーパスに反応したイグアインは、力強く縦に持ちだして、エリア右から柔らかいタッチでゴール左隅に決めた。全力で長い距離を走った後のコントロールシュートには、同業者であってもため息をもらした。

これからシーズン終盤にかけて、スクデットを争う可能性もある3チーム。浮沈のカギを握るであろうアルゼンチン人アタッカーに注目だ。

文/伊藤 敬佑

theWORLD169号 2015年12月23日配信の記事より転載

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