2015年はお笑い界から芥川賞受賞者が出て大きな話題となったが、今年はサッカー界から受賞者が現れるかも知れない。その人物とはファジアーノ岡山に所属する元日本代表DF岩政大樹だ。同選手は東京学芸大学在籍時に、サッカー選手ではなく教師を目指しており、中学校、高等学校の数学の教員免許を取得しているなど“頭脳”も一流のプレイヤーだ。
その岩政が5日にブログを更新し、溢れる文才で自身の里帰りの様子を伝えている。2015年大晦日から実家のある山口県の周防大島に帰省したと報告した岩政は、「私が育った島はいつも、私が育ったあの空気のまま迎えてくれます。車で大島大橋を渡るときに感じる、ふるさとの感触は、不思議と何年たっても変わりません」と、故郷で過ごした時間を振り返った。
さらに岩政は、懐かしの場所で多くのことを感じたようだ。
「記憶というのは面白いもので、普段は取り出して見ることがないものでも、その場に行くと突然降ってくるように蘇ってきます。家の周りをランニングしながら、たわいもない記憶がどんどん思い出されて、懐かしいとも少し違う、あの日あの場所に戻ったような感覚がありました」
「学校から帰るといつもおじいちゃんおばあちゃんが待っていたあの頃には夢にも思っていなかった世界に私はいます。しかし、確かにあの頃の私が今の私に繋がっています。あの頃好きだったもの、一生懸命だったもの、楽しかったもの、苦しかったもの、大切にしていたもの。変わらないものが私を支えています」
続けて岩政は「変わっていくものと変わらないもの」と書き記し、最後に2016年の意気込みを語っている。
「可愛い娘を連れて帰る代わりに、おじいちゃんおばあちゃんはもう家にはいません。確実に進む時の中で、サッカー人生で残された、そう多くはないチャンスを決して逃すまいと決意を新たにしています。変わらない私で」