まるでサッカーゲーム!? 就任以降約470億円以上を散財したファン・ハール

オランダ人指揮官の爆買いは止まらない

2014年にオランダ代表をW杯3位に導き、その直後マンチェスター・ユナイテッドの指揮官に就任したルイス・ファン・ハール。マンU復権を至上命題に掲げた同監督は就任からの1年半で総額2億4700万ポンド(現在のレートで約470億円に相当)もの金額を費やしており、さらなる補強も示唆している。

就任した2014年の夏にアンヘル・ディマリア、ルーク・ショー、アンデル・エレーラらの獲得にいきなり総額1億3100万ポンド以上を費やすと、続く2015年夏にも大型補強。メンフィス・デパイやバスティアン・シュバインシュタイガーなど次々と大物を引き入れ、ひと夏だけで約1億1500万ポンドをお買い上げ。気づけば就任して以降の1年半で総額470億円以上もの大金を費やしていたのだ。バイエルン・ミュンヘンのFWトーマス・ミュラーはマンUのこのような札束攻勢に対し、「クレイジーだ」と苦笑した。

彼らは欧州トップの地位に返り咲くことを目標に掲げ、それに見合う超一流選手の獲得を常に模索している。だが、こういったマーケットでの振る舞いが移籍金の極端なインフレを引き起こし、彼ら自身の首を絞めているのも事実である。それを物語るかのように、今夏には弱冠19歳のFWアントニー・マルシャル獲得に3600万ポンドを支払うことになり、10代の選手に費やした最も高額な移籍金となってしまった。さらに英『デイリー・スター』によれば、ファン・ハール監督は現在レアル・マドリードのMFガレス・ベイルと、バイエルンMFアリエン・ロッベンの両翼獲得に約1億4700万ポンドを用意しているという。仮にこれが実現するならば、ファン・ハール政権での出費総額は3億9400万ポンドとなり、もはや浮世離れしたテレビゲームの世界だ。
アカデミー出身の若手選手を積極的に起用し、じっくりと時間をかけて育てていたファーガソンは、毎年のように優勝争いに絡んでいた。現に、マンUのレジェンドとしてタイトル獲得に貢献してきたデビッド・ベッカムやライアン・ギグス、ポール・スコールズらは高額な移籍金を必要としないアカデミー出身選手だ。
もちろん世界を見渡してみても、自チームの下部組織から引き上げた選手によってメンバーの大半を構成し、成功を収めているのはバルセロナくらいかもしれない。しかし、何人もの大物選手が加入しては退団していくというサイクルは健全とはいえないだろう。ファン・ハールには是非とも、短いスパンではなく長期的な視野のもと、選手に信頼を与えるようなスタイルに変更していってほしいものだ。

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