ミランの犠牲になりつつある本田、ピッチの内と外で抱えるジレンマ

本田はミランを変えようとしていたのか

ミラン所属MF本田圭佑のチーム批判は、ロッカールームに不穏な空気を生み出した。本田は0-4で大敗したナポリ戦後にミランの戦い方のみならず、時代遅れともいえる哲学にメスを入れる厳しい言葉を発した。この発言を機に本田の放出話は間違いなく加速しており、クラブにとって煙たい存在となりつつある。本田の発言には棘があったかもしれないが、伊『トゥットスポルト』は本田がピッチの内と外で犠牲になっていると伝えた。

本田のように選手の強すぎる個性が指揮官やクラブと衝突した場合は、居場所を失っても仕方がない。 本田のミランでの生活が終わりに近づいていることは確かだ。特にシニシャ・ミハイロビッチ監督のような鬼軍曹は選手の反乱を許すようなタイプではなく、本田の発言に対して出ていきたければ構わないといった旨の発言をしている。

しかし、同メディアはミランが簡単に本田を放出することはできないとも伝えている。本田は貴重なアジア人選手で、アジア市場における重要なカードだ。本田のユニフォームは世界的にも売れており、本田を放出すれば広告収入は減少してしまう。もちろんマーケティングを理由にクラブに残ったところで、鬼軍曹のミハイロビッチが本田をコンスタントに起用するはずはない。
ミランで伝統ある背番号10を背負う本田は、ピッチの内でも外でも主人公ではなく犠牲者となっている。プレイでは献身的に守備に走るが、それはクラシックな10番のプレイスタイルではない。もちろん結果が出ていないために献身性しかアピールする部分がないのも現実だ。ナポリ戦後に厳しい発言をしたのもミランのやり方の限界を指摘したもので、先頭に立ってクラブをポジティブな方向に向かわせようとしていた。そしてピッチ外ではアジア向けの客寄せパンダのような立ち位置になってしまっている。ミランがマーケティングを理由に放出を拒めば、キャリアにも響くだろう。この犠牲はいつか花開く時がくるのだろうか。

記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.292 最強ボランチは誰だ

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:海外サッカー

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ