1位と3位の関係で迎えた25日のマンチェスター・ダービーは、実に寂しい試合になった。
マンチェスター・ユナイテッドは前半に1本もシュートを打っていない。これは2003-04シーズン以来起きていなかった事態で、いかにマンUが攻めあぐねていたかが分かる。
1トップのウェイン・ルーニーもこの試合は90分を通してシュートは0、攻撃の起点となるパスも0、クロスも0とピッチをただ彷徨っていたような成績だ。パス成功率も55%と低く、不用意なボールロストも6度あった。メンフィス・デパイを下げてアントニー・マルシャルを左サイドに置くのは良いが、ルーニーの1トップよりもマルシャルを1トップに置いた方が期待できる。
ホームでライバルを倒しておきたいマンUはもっと攻めに出る必要があった。ボールはある程度支配できていたものの、守備が整備された相手には全く縦パスが入らない。全体の連動も少なく、個の力による打開がなければペナルティエリアに近づくことすらできない状態だった。昨季のチェルシー戦でも同じような展開となったが、攻撃の形はこれで良いのか。
一方、マンチェスター・シティはアウェーで勝ち点1を手にし、首位を守った。これは昨季チェルシーもやっていたことであり、優勝を争うライバル相手に負けなければタイトルに大きく近づける。しかもダビド・シルバとセルヒオ・アグエロを欠いていたのだから、アウェイで勝ち点1は上出来だろう。昨季王者のチェルシーが順位表のどこにいるかさえ分からない状況ということもあり、指揮官のマヌエル・ペジェグリーニは冷静にリーグ戦を消化していかなくてはならない。
次回のダービーは3月に予定されているが、そこではサッカーファンを盛り上げる試合を展開できるだろうか。