[新天地で違いを生み出す選手たち 4]好調ドルトムントを支えるユリアン・ヴァイグル

新戦力がフィットしているバイエルン

新戦力がフィットしているバイエルン

新天地でさっそく真価を発揮するビダル photo/Getty Images

リーガ4連覇、CL制覇などを目指すバイエルンはさすがといえる補強に成功している。シュヴァインシュタイガーを放出した中盤にはビダルを獲得し、ロッベン、リベリが高齢となってきた前線のワイドなポジションにはドウグラス・コスタを獲得した。両名ともに前クラブでCL出場経験が豊富で、力量を図るための試し運転などいらない選手だ。実際、期待どおりに主力として開幕戦から活躍している。

ビダルはかつてレヴァークーゼンで4年間プレイしており、ブンデスリーガをよく知っている。「チームの手助けをして、タイトルを獲得したい」(ビダル)と語っていた加入当初の宣言どおり、第4節を終えた段階ですべての試合に先発している。

グアルディオラ監督のもと、バイエルンはここまで4-1-4-1、4-2-3-1、4-3-3、3-3-3-1など様々なシステムで戦っているが、ビダルは戦術への高い適応力をみせている。中盤の真ん中、左右のインサイドハーフでプレイし、攻守両面でボールにからんでいる。

攻守の切り替えが早く、ポジショニングが良いため、ビダルは高い位置でボールを奪うことができる。対人プレイや球際に強く、接触プレイでバランスを崩さない身体の強さもある。監督にとって、これほど頼りになる選手はなかなかいない。推定3700万ユーロ(約50億円)とされる移籍金が動くに相応しい選手だといえる。

ドウグラス・コスタもまた、おもに左サイドのウィングで出場を重ねている。ハンブルクとの開幕戦ではペナルティエリアのやや外から技巧的なミドルシュートを決め、さっそく移籍後初ゴールを奪ってみせた。グアルディオラ監督の信頼も厚く、4試合すべてにフル出場している。これはフィールドプレイヤーではドウグラス・コスタとアラバだけで、すでに欠かせない戦力となっている。

ベテラン顔負けの落ち着きを見せるヴァイグル

ベテラン顔負けの落ち着きを見せるヴァイグル

躍進ドルトムントを支えるヴァイグル photo/Getty Images

このバイエルンと同じく4連勝スタートを切ったのがドルトムントで、20歳の新鋭ヴァイグルが落ち着いたプレイでチームに安定感をもたらしている。ギュンドアンとともに守備的MFを務め、的確なポジショニングで相手の攻撃を素早く潰し、正確なパスを攻撃陣に送ってチャンスにつなげている。

「こんなに試合に出られるとは思わなかった」

ヴァイグル自身はこう語るが、ボールコントロールは正確で、ひとつひとつのプレイにミスがない。試合中に心が乱れて集中力を切らすこともなく、常に足を動かし、黙々と献身的にプレイする。年齢は若いが、職人、仕事人といった雰囲気をすでに漂わせている。

ドルトムントには同じポジションでプレイするライバルとして、ベンダー、カストロ、シャヒンといった高品質の選手がいる。しかし、トゥヘル監督のなかではヴァイグルがファーストチョイスとなっている。この若者は今季のドルトムントはもちろん、ドイツ代表の将来をも支える可能性がある。

すでに馴染んだ武藤、苦戦するドルミッチ

すでに馴染んだ武藤、苦戦するドルミッチ

ハノーファー戦で2ゴールをマークした武藤 photo/Getty Images

マインツの武藤嘉紀は開幕戦こそ負傷のため途中出場となったが、第2節からは先発出場もしている。そして、第3節ハノーファー戦で2得点して勝利に貢献し、監督やチームメイト、メディアなど各方面からの信頼を得ることに成功した。第4節のシャルケ戦でも相手DFの裏を狙った武藤の動きに合わせて、チームメイトから絶妙なタイミングでパスが出ていた。そこからフィニッシュまでつながり、味方のゴールを生んだプレイもあった。武藤はすでにマインツに馴染んでいるとわかるシーンで、決定機を確実に決めることができれば、初年度から二桁得点を狙えそうな雰囲気がある。

気になるのは、移籍期限ぎりぎりで獲得が発表されたコルドバの存在だ。武藤との2トップになるのか、コルドバを1トップに起用し、武藤を左サイドで出すのか。「(コルドバは)うちのサッカーに合う選手」とシュミット監督は語っているが、采配に迷いが生じるとチームそのものが苦戦を強いられ、武藤にとって辛い1年になるかもしれない。

出鼻を挫かれ、すでに苦戦しているのがボルシアMGに加入したドルミッチだ。動きに迷いがなく、キレとスピードのあるドリブルを武器にしているが、まだチームにフィットしていない。ドルトムントとの開幕戦には先発したが、この一戦にチームが0-4で大敗を喫すると、第2節からはベンチスタートとなり、その後は途中出場が続いている。昨季まで所属したレヴァークーゼンで昨季6得点、一昨季17得点という結果を残しているだけに、現状のパフォーマンスはちょっと物足りないところだ。

8月31日にそのレヴァークーゼンへの移籍が発表されたハビエル・エルナンデスも、現時点ではまだリーグ戦では交代出場で1試合に出場しただけだ。昨季11得点したソン・フンミンがいなくなったことで、先発+二桁得点が期待されている。決して簡単ではないが、その決定力を以てすれば不可能ではないだろう。まだ未知数だが、ハビエル・エルナンデスは期待値が高いニューカマーだ。

文/飯塚健司

theWORLD166号 9月23日配信の記事より転載

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