[新天地で違いを生み出す選手たち 3]新戦力が躍動 インテルが復権に向けて好発進

攻守に補強が大当たり。インテルが開幕3連勝を飾る

攻守に補強が大当たり。インテルが開幕3連勝を飾る

新10番ヨヴェティッチは攻撃のクオリティを大きく向上させている photo/Getty Images

2015-16シーズンのセリエAは、波乱とともに始まった。チームの主軸が抜けた絶対王者ユヴェントスがスタートダッシュに失敗した一方で、低迷を続けていたインテルが好発進。今季のイタリアは荒れそうだ。開幕からの数試合は、新戦力がいかにチームになじむかが重要。夏の移籍市場で注目を集めた選手たちの現時点でのフィット具合をチェックする。

好スタートのインテルは、マンチーニ監督の頑固な補強が成果を上げている。夏の移籍市場でまず指揮官が着手したのは中盤の強化だった。ヤヤ・トゥーレの獲得は失敗に終わったが、 代替案の一人として到着したのが ジョフリー・コンドグビアである。フランスの若手は才能の片鱗を感じさせているものの、まだすべてを出し切ってはいない印象。それでも、インテル にとっては久々に手にしたフィジカルとクオリティーを兼ね備えた大型MF で、チームとリーグにフィットすれば、インテルは復権に大きく近づく。ただ、開幕3連勝は攻守の新戦力のおかげであるところが大きい。ミランダとムリージョのCBコンビが安定をもたらした。開幕3連勝のインテルだが、内容が圧倒的だったわけはない。それでも、攻められた時の安心感が過去数シーズンとは桁違いだ。アトレティコ・マドリードでの実績 があるとはいえ、以前からチームにいるかのような堂々としたプレイを見せるミランダには驚きしかない。守備の安定を勝利という結果に昇華させたのは、ステファン・ヨベティッチの個人技だった。連係には 向上の余地があるものの、時間が解決してくれることに期待したい。ヨベティッチが合わせるのではなく、周囲 がヨベティッチのイメージに近づいていくことで、チーム全体のレベルアッ プになる。ケガの多さが心配だが、順調にフィットしていけば、開幕からの活躍もただのプロローグになる。

苦境のユヴェントス。ディバラには時間が必要

苦境のユヴェントス。ディバラには時間が必要

左足から繰り出されるシュート、ドリブルが武器のディバラ photo/Getty Images

厳しいスタートになったのはユヴェントスだ。経験豊富な主軸が一気に抜けた影響を隠しきれなかった。アタッカー陣は、テベスを失った穴を全員で埋めなければいけない。マンジュキッチとモラタが軸となりそうだが、ディバラも違った長所を持つFWとして存在感を放っている。ただ、4000万ユーロと言われる移籍金により、ハードルが高くなりすぎた。将来に向けた投資であることは明白だが、そうも言っていられないチームの現状が悩みを増幅させる。

ミランも期待を大きく裏切るスタートになった。アタッカーを総入れ替えしたが、まだ期待に応えていない。開幕戦の枠内シュート0本 はチャンスをつくる側の問題も大きいが、バッカとルイス・アドリアーノ と2トップだけで相手の守備を破壊 してくれるのではないかというファンの期待には届かなかった。ただ、 8月中旬のコッパ・イタリアで格下ペルージャと対戦した際は、本田圭佑を加えた3人のイマジネーショ ンで幾度となくチャンスをつくっている。ポテンシャルに疑いはない。セリエA独特の組織的な守備に適応できるかの問題だろう。

ジェコは新たなローマの柱に?

ジェコは新たなローマの柱に?

ピヤニッチとの「ボスニア・ライン」に期待がかかるジェコ photo/Getty Images

ローマは期待がふくらむスタートになった。それは昨季のローマに欠けていたピースが加わったからだ。昨季後半戦は決定力不足 に苦しめられたローマにとって、ジェコは待ち望んでいた補強である。ボスニア・ヘルツェゴビナ代表でチームメートのピアニッチとの連係は、どんな相手にとっても脅威となり得ることを示している。そういった関係をほかの仲間とも築けるかが今後の課題。トッティと共存可能か、というテーマはしばらくローマの話題になるかもしれない。注目された移籍以外にも、パレルモがエル・カウタリの活躍で好発進を切るなど、序盤戦はニューフェイスが話題になる。新しいチームをいち早く完成させることで、目標達成の難易度は大きく変わってくるだろう。

文/伊藤敬佑

theWORLD166号 9月23日配信の記事より転載

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