[魁! サムライ・フットボーラー 4]ブンデスで飛躍を期す3名のサムライ

攻撃力アップを図ったケルン。大迫は得点増加が期待できる

攻撃力アップを図ったケルン。大迫は得点増加が期待できる

開幕戦で初得点を奪った大迫 photo/Getty Images

ブンデスリーガで3年目のシーズンを迎えた大迫がプレイするケルンは、一昨年に2部で最小失点を記録して昇格を果たした堅守が自慢のチームだ。昨季は1部でも粘り強い戦いを続け、12位とまずまずの成績を収めている。ただ、守備力がある一方で、攻撃力には課題がある。昨季の34得点は18チーム中16位の数字で、より上の順位へ進出するためには得点力アップが必須となる。

当然、大迫にかかる期待は大きい。昨季はシーズン前にブラジルW杯に参加したため、スタートが出遅れて序盤戦は力を発揮できなかった。しかし、2015年1月に開催されたアジア杯を戦う日本代表に招集されなかったため、アメリカのフロリダで行なわれたチームの冬期キャンプにフルで参加することができた。指揮官を務めるシュテーガーによれば、これをキッカケに大迫のコンディションが上がったという。15年4月には「なぜわれわれが大迫を獲得したのか、これからわかるだろう」(シュテーガー)とのコメントを残している。

大迫といえばFWのイメージが強いが、ケルンではトップ下を務めている。高い位置からチームメイトと連動してプレッシャーをかけ、マイボールになった瞬間に素早く攻守を切り替えるのがチームのスタイルで、大迫はこれまでしっかりと役目を果たしてきた。ただ、今季は前線にモデスト、トップ下にヨイッチ、ゲルハルト、ビッテンコートが加わったことで、少し変化が生じている。

得点力アップを目指し、シュテーガーは昨季までの4-2-3-1だけでなく、4-1-4-1にも着手。シュツットガルトとのアウェイゲームだった開幕戦では4-1-4-1を採用し、3-1で快勝している。前線にモデスト、2列目が右からリッセ、ヨイッチ、ゲルハルト、ビッテンコートという布陣で大迫は先発から外れた。しかし、54分にヨイッチに代わって登場。92分にカウンターを仕掛け、モデストからの優しいラストパスを受けて無人のゴールへ流し込み、今季初得点を奪っている。

いずれにせよ、今季のケルンは得点力アップが課題で、そのための補強を行ない、システム変更も行なっている。大迫にとってはポジション争いが激しくなったが、逆にピッチに立ったときはまわりの質があがり、システムも攻撃的になったことで、得点チャンスが増えると予想される。昨季の3得点3アシストを上回る数字を残したいところだ。

監督から厚い信頼を受ける原口。武藤の挑戦ははじまったばかり

監督から厚い信頼を受ける原口。武藤の挑戦ははじまったばかり

強気の仕掛けが原口の真骨頂 photo/Getty Images

昨季以上の活躍が期待されるのは、ヘルタ・ベルリンの原口も同じだ。昨季途中から指揮を執るダルダイは原口について、「試合ごとに良くなっていて、バイエルン戦でとても力強く、素晴らしいプレイを見せてくれた」と今年4月下旬に地元メディアに語っている。バイエルン戦というのは昨季第30節のアウェイゲームで、0-1で惜敗したが、原口自身はサイドから積極的に勝負を仕掛けてチャンスを作り出していた。

この原口に対するダルダイの期待は大きく、本来の左ウィングだけでなく、右ウィングでプレイさせることもある。ときには試合中にポジションチェンジし、攻撃に変化を与えている。さらには、今季は前線での起用も考えているようで、シーズン前の練習試合では1トップを任されることもあった。

「彼にはまだ多くのコーチング(指示)が必要だ」としながらも、「試合中に絶えずポジションチェンジを行なえば、相手に読まれにくい」とダルダイは原口について説明している。信頼してくれている指揮官のもと、今季の原口は飛躍する可能性が高い。

FC東京からマインツへ移籍した武藤は、開幕直前の練習試合で負傷したことで、第1節のインゴルシュタット戦はベンチスタートとなった。結果は0-1の惜敗。チーム自体の完成度が低く、78分から出場した武藤に見せ場はなく、ボールタッチ2回、パス1本(公式記録による数字)というデビュー戦だった。

「試合に出場したらもっと自分の役割を果たさなければならない。しかし、失点してからのチームは勢いがなかった。ボクはチームを助けたいと思っている。一番いいのは、ゴールという結果を出すことです」

試合後、武藤は地元メディアにこう語っている。しかし、初戦を見る限り、マインツはチーム状態がどうも良くない。昇格1年目で気合いが入っていたインゴルシュタットを前に、後手を踏んで攻撃のカタチをなかなか作れなかった。無論、チームは現状を理解しており、今後にストライカーを獲得することを明言している。

マインツを率いるシュミットは、7月の段階で「誰がCFを務めるかと言えば、ニーダーレヒナーと武藤という選択肢がある」と語っていた。チームは4-2-3-1や4-4-2を採用しており、武藤は左ウィングとしてはもちろん、2トップの一角としても期待されている。

とはいえ、開幕戦から判断すると、武藤にとって難しいシーズンになるかもしれない。逆に考えれば、自身が語るとおり、自らのゴールがチームを助けることになる。まずは、早い段階で結果(=得点)がほしい。

文/飯塚 健司

theWORLD165号 8月23日配信の記事より転載

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