ブンデスリーガ開幕3連勝を飾ったバイエルンは、ドイツ国内はもちろん、世界的にも優秀な選手が集まるタレント集団だ。結果を求める一流選手が集まっており、チームのチャンスでも激しい競争がある。29日のレヴァークーゼン戦では、それが分かる一幕があった。
『デイリー・メール』はこの試合でバイエルンが決めた2本のPKで、MFアルトゥーロ・ビダルが自分に蹴らせてくれとチームメイトに頼むシーンを話題にしている。ビダルは今夏にバイエルンに加わった新参者であり、目に見える結果が欲しいのは当然だ。
1本目の際にもビダルは蹴りたいとアピールしたが、ここはチームのPKキッカーであるトーマス・ミュラーが順当に蹴った。2本目ではミュラーがアリエン・ロッベンにキッカーを譲ったのだが、ビダルはこれをチャンスと捉えたのか、ボールをセットしているロッベンに顔を近づけ、蹴りたいんだと猛アピール。ユヴェントスやチリ代表でもPKを蹴る機会が多かったビダルは、決められる自信があったのだろう。しかしロッベンも自身のゴールチャンスを新参者に譲る気はなく、ビダルの言葉に耳を貸さなかった。結局は必死になるビダルをチームメイトのロベルト・レヴァンドフスキが慰め、ロッベンがそのまま蹴った。
ロッベンはこの出来事について試合後のインタビューで次のように述べている。
「トーマスはチームの第1キッカーで、僕が2番だ。これは明確に順位が決められているんだよ。アルトゥーロも蹴りたがっていたけど、それは良いことだ。怖がって蹴らないよりはね」
また、ハットトリックのチャンスでもあった2本目のPKをロッベンに譲ったミュラーも、仕方がなかったと述べている。
「アルトゥーロはユヴェントスでPKキッカーを務めていたし、蹴らせてくれとアピールされたよ。でも、ここはバイエルンだ。彼もチームの一員にならなければいけない」