タレントひしめくプレミアリーグ、No.1ゴールキーパーは誰だ!?
1位がピッチに立っていない不思議なランキングに
デ・ヘアのプレイが見られない現状は歯がゆいものだ photo/Getty Images
数十年前に良いゴールキーパーの条件を問われれば、迷わずシュートストップの能力という答だっただろう。しかし現代のキーパーは非常に多忙だ。ビルドアップの出発点になることもあれば、最終ラインの裏にできたスペースへ果敢に飛び出してボールをクリアする仕事もしなければならない。ただゴールを守るだけでは優秀なキーパーとは判断されなくなったのだ。
『Squawka』は現在プレミアリーグでプレイするキーパーで最高の選手は誰かというランキングを紹介。1チームから1人という条件で、ベストなキーパーを判断している。
10位:ティム・ハワード(エヴァートン アメリカ代表)
36歳を迎えたハワードだが、まだまだトップクラスのプレイを見せている。2014ワールドカップのベルギー戦で魅せたスーパーセーブの連発は今も記憶に新しいが、そのセービング能力こそがハワードの武器だろう。現代サッカーに求められるキーパーではないが、エヴァートンにとって欠かせない選手だ。
9位:ティム・クルル(ニューカッスル オランダ代表)
先日のマンチェスター・ユナイテッド戦を0-0で終えた立役者。ハワード同様に昨年のワールドカップでPK専用キーパーとしてオランダ代表の勝利に大きく貢献したことで話題となった。しかし本来はスターターを務めることの出来る実力者であり、スティーブ・マクラーレン監督が信頼を置くキープレイヤーだ。
8位:ルカシュ・ファビアンスキ(スウォンジー ポーランド代表)
長らくアーセナルに所属していたファビアンスキは昨夏にスウォンジーへと移籍。サポーターからは高い評価を得ている。チームも昨季から好調を維持しており、その一端を担っている存在といえるだろう。決して派手な選手ではないが、堅実なキーパーだ。
7位:フレイザー・フォースター(サウサンプトン イングランド代表)
イングランド代表にも選ばれているフォースターは、昨夏にセルティックから加入。サウサンプトンでは出場した30試合で13度もクリーンシートを達成するなど、チームの躍進に大きく貢献した。イングランド代表といえばジョー・ハートという印象が強いが、フォースターも身長2mの大型キーパーとして代表を支えている。
6位:シモン・ミニョレ(リヴァプール ベルギー代表)
ミニョレは昨季にスタメン落ちも経験したが、今ではブレンダン・ロジャースにとって重要な選手になっている。チームも開幕から3試合連続でクリーンシートを達成しており、前節のアーセナル戦でも好セーブを披露した。
5位:ウーゴ・ロリス(トッテナム フランス代表)
今夏マンチェスター・ユナイテッドのターゲットとして度々噂になったロリスは、フランスの歴代選手の中でも最高峰の部類に入るキーパーだろう。プレミアではタイトルと無縁な選手だが、シュートストップ能力はこのリスト内でもトップクラスだ。
4位:ジョー・ハート(マンチェスター・シティ イングランド代表)
イングランド代表とマンCで正GKのポジションを守るのは決して簡単なことではない。ハートはそれだけの才能を持つ選手だと証明しており、チームも開幕から3試合連続でクリーンシートを達成している。ワールドクラスのキーパーとは言えないかもしれないが、反応速度はプレミア屈指のものを持つ。
3位:ペトル・チェフ(アーセナル チェコ代表)
数年前であればチェフはこのリストの最上位に入っていただろう。今は33歳となり、経験に裏打ちされたプレイが魅力の1つとなっている。前節のリヴァプール戦でも思わず声が漏れるようなセーブを見せ、アーセナルにとって最も重要な補強の1つだったことを証明した。
2位:ティボ・クルトワ(チェルシー ベルギー代表)
クルトワを2位に指名するのは最も厳しい作業だった、と同メディアは記している。シュートストップ、反応速度、2mを超える高さと、ゴールを守るというキーパーにとって最大の任務を全てハイレベルでこなす能力を持っている。足もとの技術に多少難はあるものの、ワールドクラスのキーパーであることは間違いない。
1位 ダビド・デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド スペイン代表)
同メディアが選んだ1位はセルヒオ・ロメロではない。デ・ヘアだ。今夏にレアル・マドリードへ移籍することが濃厚となっていたが、マンUの抵抗もあって今はスタンドが彼の守るポジションになってしまっている。しかしスペイン仕込みの巧みなパス、相手ストライカーとの1対1の強さ、周囲を驚かせるシュートストップと、現代サッカーに求められる要素を兼ね備えている。チームが4位に終わったにもかかわらず、昨年のプレミア年間ベストイレブンに選出されたのはデ・ヘアの実力が認められている証拠だ。それだけに、試合で起用されない現状が実にもったいない。
このランキングを見て驚くのは、1位から10位まで全て各国の代表選手で埋め尽くされていることだ。ここにプレミアリーグの質の高さを感じる。さらに6位と2位のミニョレとクルトワが共にベルギー代表に入っていることも同国の層の厚さを感じさせる。ジエゴ・コスタやセルヒオ・アグエロといったストライカーにも注目が集まるが、ゴールを守る選手に注目して観戦するのも面白い。