両足の達人カソルラのFKが話題呼ぶ。両利きのメリットとは!?
利き足ですべてやってしまう選手も
左右両足で蹴り分けるカソルラ photo/Getty Images
7月25日に行われたエミレーツ・カップのリヨン戦で、アーセナルMFサンティ・カソルラは利き足と逆の左足でフリーキックを決めて見せた。カソルラは左右両方の足を遜色なく蹴り分けることで有名だが、これを機にサッカー選手は両足を使える方が良いかが話題となったようだ。
『エクスプレス』はカソルラを含めた両足でボールを蹴ることができるプレイヤーと、逆に利き足でしかボールを扱わないプレイヤーの両方にスポットを当て、どちらがより有益かを検証している。
同紙は、カソルラと同様に逆足でも強烈なボールを蹴ることが出来る選手として元ドイツ代表のアンドレアス・ブレーメを紹介した。ブレーメが両足でPKを蹴っていた話は有名で、1986年メキシコワールドカップ準々決勝のメキシコ戦では、左足で豪快にPKを蹴り込み、1990イタリアワールドカップ決勝のアルゼンチン戦では決勝点となるPKを右足で慎重に決めている。両大会でドイツ代表を率いたフランツ・ベッケンバウアー氏は、未だにブレーメの利き足がどちらか分からないとも答えているようだ。
逆足のフリーキックで話題となったカソルラは自身の左足について、「幼い頃に右の足首を負傷したことで、左足でボールを蹴るようになった」と語っており、生まれながらの両利きという訳ではない。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスが欧州のトップリーグを中心に調べた2009年のデータでも、両足を遜色なく使える選手はわずかに18%しかいないと発表されている。欧州のトップレベルの選手でも、利き足と同等の威力と精度を逆足で実現するのは難しいようだ。
プレミアリーグのトップスコアラーでも逆足でゴールを決めたケースは少なく、アストン・ヴィラのガブリエル・アグホンラホールは逆足で決めたゴールは全体の33%、元マンUのオレ・グンナー・スールシャールは29%、ファン・ペルシーは27%にまで落ちる。それでも彼らは欧州トップレベルでストライカーとして活躍しており、これについてアストン・ヴィラのユースアカデミーのディレクターであるスティーブ・バーンズ氏は次のように述べている。
「通常の選手は逆足が弱い場合は練習する必要があるが、才能のある選手は片足だけで全てやってのけてしまう。ポール・マーソンがヴィラに来たとき、彼は右足ですべてのことができた。だから私たちは左足の練習をしろと彼に言うことは出来なかったんだ」
同氏の意見と同じく、利き足しか使わない選手も多数存在する。アリエン・ロッベンなどもそうだ。世界は彼らを尊重すべく利き足と逆のサイドに配置するやり方がスタンダードになった。リカルド・クアレスマやルカ・モドリッチのように、利き足のアウトサイドで逆足の役割を補う選手もいる。
カソルラのフリーキックで話題となった逆足理論だが、日本では両足で蹴ることができるように練習する。利き足の練習に時間を費やすのか、無理にでも逆足の練習を取り入れた方が良いのか、考えてみるのも面白い。