年間順位最下位の清水を救うべく加入した鄭大世が、くしくも古巣川崎を相手に等々力陸上競技場で2度目のJリーグデビューを飾った。
川崎は11分、中盤で丁寧に繋いで相手を引き込むと、テンポを上げて抜け出した大久保が森谷とのワンツーを挟んで、最後は狙い澄ましたシュートを打ち込み、先制。しかし清水は22分、デュークのクロスをウタカが頭で合わせて同点に追いつくと、さらにその8分後、CKを再びウタカが決めて前半のうちに逆転に成功する。鄭大世も相手CBとの駆け引きを繰り返しながらボールを引き出し、力強いシュートを放って存在感を放つ。
川崎はシステムに変更を加え、さらに後半頭から船山を投入。すると試合の流れが一気に川崎に傾く。57分、中村のFKを田坂がヘディング、GKが弾いたところを武岡が押し込みJ1初ゴールで同点。さらにその直後、田坂のクロスから船山が決定機を迎え、小宮山のクロスを田坂が合わせた場面も、惜しくも得点とはならないが、立て続けに好機をつくる。清水は前と後ろがぶつ切りになって連係を保てず、勢いを増す相手を押し返すことができない。
川崎は中村の裏へのパスに前線が動きを合わせてゴールに迫る。68分にはその中村のパスに小宮山が抜け出しシュート、GKに阻まれたこぼれ球に、エウシーニョが反応するが決められず。しかしついに、川崎に決勝点が生まれる。71分、速い繋ぎで田坂が抜け出すと折り返しを船山がスルー、最後は大久保が沈めてスコアをひっくり返した。試合はそのまま終了。中村とユニフォームを交換した鄭大世は、等々力劇場に沸く会場の声援を耳に天を仰いだ。
[スコア]
川崎フロンターレ3-2清水エスパルス
[得点者]
川崎フロンターレ:大久保嘉人(11)(71)、武岡優斗(57)、
清水エスパルス:ピーター・ウタカ(22)(30)