[コパ・アメリカを語れ! 3]ウルグアイのハードワークは、最強アタッカー陣を止められるか!?

メッシの活かし方はいよいよ確立されるか

メッシの活かし方はいよいよ確立されるか

アルゼンチンの攻撃の中心は、やはりメッシだ。photo/Getty Images

アルゼンチンにはW杯準優勝国としての誇り、ウルグアイには前回大会王者としての意地がある。それだけに、両指揮官の視界は遙か先を見据えている。すなわちタイトルだ。

アルゼンチンのヘラルド・マルティーノ監督は、「W杯で準優勝したからということではなく、アルゼンチンは主役にならなければいけない。そして、この大会で決勝に進む責任を背負っている」と力強く語った。一方、ウルグアイのオスカル・タバレス監督も「我々は自分たちを優勝候補と考えることはないまでも、ウルグアイのサッカーには歴史がある。そこには確かな方法論が存在する」と、躍進を誓った。

長らくリオネル・メッシの活かし方を模索してきたアルゼンチンは、W杯準優勝という結果により、その答えに辿り着きつつある。W杯後、アレハンドロ・サベージャから指揮権を受け継いだマルティーノ監督も、前任者に倣い、ゴンサロ・イグアインやセルヒオ・アグエロ、エベル・バネガといったメッシと同世代の理解者を数多く招集。メッシを特別視しつつも、組織のひとりとして扱えるメンバーを揃えた。

マルティーノ監督は基本的に4-2-3-1システムを採用し、1トップにはアグエロやイグアインを起用している。流動的にポジションは入れ替わるにせよ、特別視するメッシはトップ下ではなく、右サイドで起用。2列目中央にはストライカーとしての色が濃いハビエル・パストーレを抜擢している。しかし昨年11月のポルトガルとの親善試合では、メッシは中央で自由になる機会が少なく、0- 1で敗れた。やはりメッシが気持ちよくプレイできるかが、成功への方程式。あるいはメッシを

トップ下で起用し、ディ・マリアや気鋭のフェデリコ・マンクエージョがそのサポートに回るかもしれない。サイドにドリブラーを配置するため、中央はフィニッシャーの色が強いイグアイン、もしくはテベスという線もあるだろう。前線のタレントは豊富なため、ゴールへのアプローチ方法はいくらでもある。タレントを活かすも殺すもマルティーノ監督次第。指揮官の思い切りと決断に注目が集まる。

W杯を経験した守備陣は、強固になりつつある。ハビエル・マスチェラーノが中盤の底で相手の侵入に鍵をかけることで、失点どころか決定機を作られる回数も減っている。ルイス・スアレス不在ながらも、強力なストライカーが控えるウルグアイではあるが、それを抑えるだけの自信は培っているだろう。

スアレス不在を埋める中盤のハードワーク

ウルグアイはそのスアレス不在が少なからず響きそうだ。タバレス監督は「スアレスが恋しくならないほど我々には多彩な選択肢がある。1トップでも2トップでも戦える」と自信を覗かせるが、バルセロナでの活躍を見れば見るほど、彼の不在は惜しくなる。

ディエゴ・フォルランも代表からの引退を表明した今大会は、エディンソン・カバーニの決定力に期待がかかる。が、それ以上に強みなのは2006年からタバレスが指揮する一貫性だ。前線も含め、中盤の全員がハードワークをこなし、相手からボールを奪取した瞬間、一気に相手ゴールに迫るスタイルはいまも継続され、徹底されている。特にアレバロ・リオス、ニコラス・ロデイロ、カルロス・サンチェスが構成する中央は、攻守両面で躍動的かつ積極的。テクニックのあるアルゼンチン攻撃陣を抑え、カバーニへと一気に展開することも可能であろう。

アルゼンチンはやはり何はともあれ、メッシだが、彼が抑えられたときこそ2列目の他の選手がいかにして決定機を作り出すか。そうした意味では、遅咲きのマンクエージョに期待だ。3月28日の試合では豪快なFKで初ゴールを奪っており、キーマンになりそうな予感が漂う。ウルグアイもカバーニのフル稼働は絶対だが、必然的にマークは厳しくなるだけに、新鋭のディエゴ・ロランやクリスティアン・ロドリゲスといったサイドアタッカーが頼みの綱となりそうだ。

いずれにせよ、グループリーグの第3戦で対戦するだけに、両者ともにジャマイカとパラグアイとの2戦で決勝トーナメント進出を決めたい。彼らにとっては、この先こそが本当の戦いなのだから。

※theWORLD162号、5月23日配信の記事より転載。

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