【欧州カップ戦枠争いを生き残れ! 3】ユーヴェに続くチームはどこだ? カギはローマ勢が握る

盤石と思われるラツィオ、隙を見せるローマ

盤石と思われるラツィオ、隙を見せるローマ

ラツィオメンバー photo/Getty Images

スクデット獲得が時間の問題となっているユヴェントスは、まもなく3位以内を数字の上でも確定させる。ローマ勢が残りの2枠を手にするのか、それとも割って入る勢力があるのか。この戦いに参加する資格があるチームは毎週減ってきているが、2月22日時点では、6位までにその挑戦権がありそうだ。

だが、やはり2位ラツィオと3位ローマの優位は揺るがない。残り7試合で4位ナポリと勝点5の差というのは大きい。

その中でもラツィオは問題なしと見る。18日、ユヴェントス戦で負けたものの、そこまではセリエA8連勝。選手も監督も超一流とは言えないが、完成度の高さはピカイチだ。チームのバランスが取れていて内容は充実。ここからの大崩れは想像しにくい。

隙があるとすればローマの方。長く続いた不振を4月4日のナポリ撃破で完全に抜け出したかに思われたが、得点力の低さはいまだに解決できない問題だ。今後、インテル、ミラン、ラツィオとの試合が待っているだけに、勝点を落とす場面は出てくるに違いない。たいていのクラブから見てローマは格上。勝点1を手にすれば十分と喜べる。よって、多くのスペースを与えてくれるチームは少ないだろう。

ローマが崩れたとしたら、ここを狙ってくるのがナポリ、フィオレンティーナ、サンプドリアだ。その中で最も勝点を重ねやすいのはフィオレンティーナだと推測する。

通常、この時期は下位チームが残留を目指して火事場の馬鹿力を発揮してくるものだが、第31節を終えた段階で、早くも降格となる下位3チームのモチベーションが上がりにくい状況になった。18位チェゼーナと17位アタランタの勝点差は7ポイント。降格圏のチームがリスクを冒して勝点3を狙って大敗し、残留ラインのチームは引き分け以上の結果を、という意識で試合に入ることが多くなるだろう。

日程で有利なヴィオラか、チーム力で優るナポリか

この日程の恩恵を最も大きく受けるのが、フィオレンティーナだ。ホームで現降格圏の3チームと対戦するほか、ヨーロッパの舞台も残留争いも関係がないと思われるエンポリ、パレルモ、キエーヴォとの試合が残っている。第33節ユヴェントス戦を除けば、すべて勝点3を狙っていけるカードだ。だが、20日のヴェローナ戦を落としたことは痛い。ヨーロッパリーグで準決勝に進むことができたら、早いタイミングでこの競争からリタイアすることも考えられる。

調子を取り戻しつつあるナポリは、勝点差でローマ勢と最も近い存在だが、対戦相手はフィオレンティーナに比べてタフだ。次節はサンプドリアとつぶし合いの恐れがあるほか、ミラン戦、ユヴェントス戦、ラツィオ戦を残している。フィオレンティーナとともにヨーロッパリーグで勝ち上がっており、状況次第ではこちらもヨーロッパリーグ制覇でチャンピオンズリーグへ、という意識が出てくるかもしれない。カップ戦のスペシャリスト、ラファ・ベニテスが率いているのだから、別ルートでゴールにたどり着く可能性はあるだろう。

少し脱線してしまったが、ナポリのセリエAで気になるのは最終節だ。彼らはラツィオと対戦する。仮にラツィオが2位を決めていたとして、ローマが3位確保に苦戦しているとしたら——。ローマの街でラツィオがナポリに勝点を譲るという話題が発生するところが目に浮かぶ。その前の節はローマダービーということも気になる。何かしらのストーリーが待っているのではないかと妄想がふくらむところだ。

サンプドリアは少々厳しいと予想。得点がもともと少ない上に流れの中から点を獲ることに慣れていない彼らは、ナポリ、ユヴェントス、ラツィオといった相手が残っている。ユヴェントスがどのタイミングで優勝を決めるかも重要な要素だが、リーグ最多のドロー数がこれからさらに伸びるようだと、3位には届かない。ヨーロッパリーグがない分、ナポリやフィオレンティーナに比べて調整が簡単という点はプラス要素だが、シーズンの最初からそれは同じことである。

いずれにしても、自分たちの運命を決められる立場にあるのはローマ勢だ。誰かが彼らを倒さないことには、熾烈なバトルは生まれない。

文/伊藤 敬佑

theWORLD161号 4月23日配信の記事より転載

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