素早く縦を目指す意識がチャンスを生み、ピンチも招いていた前半
ここ数年、ウズベキスタンとの相性は悪かった。2011年9月6日のアウェイゲームが1-1の引き分け、2012年2月29日のホームゲームには0-1で敗れていた。通算成績では5勝3分け1敗と勝ち越しているが、近年の2試合には勝利がなく、試合前日に岡崎は「(ウズベキスタンには)勝てていないイメージがある」と語っていた。
そうした状況のなか迎えた一戦だったが、立ち上がりから日本の各選手は動きが良く、勢いのある攻撃を仕掛けた。ハリルホジッチ監督が求める縦への意欲が見られ、6分には最終ラインの森重が前線に縦パスを入れたところから岡崎、本田、乾、香川がからんでチャンスを作り、最後は香川がフィニッシュしてCKを得た。このCKの流れから青山が右足ロングシュートを決め、幸先よく先制点を奪った。
その後も日本の各選手はボールを奪ったら素早く縦に入れるサッカーを遂行しようとしていた。しかし、新たな指揮官を迎えてまだ日が浅く、簡単には指向するサッカーをピッチで表現することができなかった。25分には青山の縦パスがカットされ、カウンターを受けて右サイドからゴール前にクロスを入れられた。34分にも右サイドからのクロスを許したが、いずれもファーサイドで酒井高が身体を張った守備を見せ、得点は許さなかった。
前線、中盤でアグレッシブに相手ボールを追いかけ、奪ったら素早く縦にパスを出してゴールを目指すという意識は徹底されていた。とくに、ゴールにつながるCKを奪ったパスワークは最終ラインからフィニッシュまで正確に素早くパスをつないでビルドアップしており、目指すカタチが見えたプレイだった。しかし、頭では理解していても、技術や連係が追いつかず、カウンターにつながる危ないプレイもあった。前半は素早く縦を目指す意識がチャンスを生み、ピンチも招いていた。