【マッチレポート】どん欲に勝利を追求したハリル采配

前半から後半のなかばまでは選手選考に費やされた

キックオフ直後からチュニジアにボールを支配される時間が続き、なかなかペースをつかめない。序盤の日本はたどたどしいプレイが続き、リズムに乗れなかった。藤春、川又といった初代表となる選手を含む布陣で臨んだハリルホジッチ監督が率いる日本は、当たり前だが連係に乏しく、マイボールになっても狙いとする縦に早いサッカーができない時間が続いた。

それでも、20分過ぎから徐々に流れをつかみ、21分に武藤がCKにつながるシュートを放ち、そのCKからゴールバーを直撃するシュートが生まれた。25分にはFKからゴール前で混戦となり、藤春が右足でフィニッシュした。さらに、32分には右サイドを崩して最後は清武がフリーで左足シュートを放った。しかし、いずれも精度を欠き、先制点を奪うには至らなかった。

守っては裏を取られるプレイがあり、攻めては短い距離のパスがつながらないときがあった。新監督のもと不慣れなメンバーで戦っており、これはある意味で仕方なく、予測できたこと。こうした状況のなか、しっかりと実力を発揮できる選手は誰なのか? 存在を示すことができる選手は誰なのか? ハリルホジッチ監督は後半もメンバーを変えることなく臨み、経験の少ない選手にチャンスを与え、選手選考の時間に費やした。

どん欲に勝利を求めた後半に今後の方向性を見た

しかし、試合にはやはり勝たなければならない。「どんな相手との試合でも勝つための準備をしなければならない」と語るのはハリルホジッチ監督で、新たな指揮官は勝利へのどん欲さを持っていた。どうにもリズムに乗れない状況を打開すべく、60分に清武→香川、永井→本田という選手交代を行なった。すると、日本がつなぐパスのスピードが上がり、試合がテンポアップしていった。

66分にはCKから吉田がゴールネットを揺らしたが、これは直前にファウルがあってノー・ゴールに。67分には武藤の折り返しを川又がフリーでフィニッシュしたが、枠内を外して得点にはならなかった。しかし、間違いなくリズムはよくなっており、さらにそんな状況だった72分に川又→岡崎、武藤→宇佐美の選手交代が行なわれた。

足が止まりはじめていたチュニジアに対して、日本の攻撃陣はこれで先発とは4名が変わっていた。しかも、登場したのはいずれも足元の技術力に優れ、スピード&キレがある選手だった。78分、香川が中央から左サイドに向かってドリブル突破を仕掛け、そのまま左サイドの本田へパスを出す。本田がこのボールをファーサイドへ折り返すと、走り込んだ岡崎が頭で合わせて先制点を奪った。

83分にはお互いに気心が知れた香川、本田、岡崎に、初代表の宇佐美がからんで追加点が生まれた。中央から宇佐美が左サイドへボールを流し、パスを受けた岡崎がワンクッションを置いて後方から上がってきた香川へパスを出す。香川がゴール前へ折り返すと、混戦となってファーサイドへボールが流れる。ここに詰めていた本田が左足でフィニッシュし、勝利を確信する2点目を奪った。

宇佐美には終了間際に決定的なチャンスがあり、香川のラストパスを受けてフリーの状況で右足シュートを放った。しかし、これはゴールポストを直撃し、得点にはならなかった。ならなかったが、宇佐美にとっては上々のデビュー戦となった。相手の足が止まった後半終盤からの出場だったが、与えられた役割をしっかりと果たした。

ハリルホジッチ監督の初陣は、後半のなかばまで選手選考の色合いが強かった。しかし、本田、香川の登場で展開がガラッと変わった。「方向性をお見せしたい」「われわれが進む道を見せたい」と語っていたのはハリルホジッチ監督である。どんな試合でも、勝たなければならない。新たな指揮官の采配から、その意志が伝わってきた。

文・飯塚健司
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