名良橋晃の定点観測♯7「ハリルホジッチ監督は柔軟性がある。プレイしやすいと思う」

JFAの大仁会長(左)、霜田技術委員長(右)と握手をかわしたハリルホジッチ監督の下、日本はロシアW杯を目指す。 photo/Getty Images

継続性を大事にするために、スタイルを崩してほしくない

日本代表の指揮官がハリルホジッチ監督に決定しました。2015年ブラジルW杯にアルジェリアを率いて出場し、決勝トーナメントに導く実績を収めています。ボクのなかでは、2010年南アフリカW杯で1分け2敗に終わったアルジェリアの監督に就任し、時間をかけて若手を成長させ、集大成となったブラジルW杯で結果を出したという印象があります。

ハリルホジッチ監督が作るチームは、各選手がさぼることなくハードワークし、激しく戦うという印象もあります。また、戦術で選手を縛るのではなく、個々の能力を見極めて試合に応じて柔軟な選択をする監督でもあります。ブラジルW杯でも選手を固定することなく、対戦相手に適した選手を起用していました。選手に求められるのはチームのなかで自分の能力を発揮することなので、戦術にはめ込まれるよりもプレイしやすいと思います。

とはいえ、どんなサッカーをするかはチームが始動してみなければわかりません。ただ、日本代表はザッケローニ監督のときにポゼッションサッカーを指向し、ブラジルW杯で結果を得られませんでした。これを受けてアギーレ監督が招聘され、ポゼッションに加えてタテへの推進力があるサッカーを目指してきました。アジア杯では準々決勝で敗退しましたが、内容は悪くなかったと評価されています。

こうした経緯を考えると、いままで指向してきたスタイルを崩してほしくないというのがボクの意見です。ここでこれまでの流れを無視したまったく違うスタイルを示されると、(日本代表が)方向性を見失うことになってしまいます。大事なのは、日本人選手の良さを生かしたサッカーを続けることです。

3月27日のチュニジア戦で新チームがお披露目になりますが、監督就任会見で本人が語っていたとおり、メンバーはこれまでと大きく変わらないと思います。システムやサッカースタイルがどうなるのか? ハリルホジッチ監督の現役時代のポジションはFWで、攻撃的なサッカーを好む一面があります。攻めの姿勢をどう打ち出してくれるか、楽しみにしています。

また、厳しさも持ち合わせていて、初のJリーグ視察を終えたあとには、「もう少し力強さを見せてくれれば、より質が高まる」との指摘をしています。これは日本サッカーが成長するためのアドバイスであり、歯に衣を着せずに発言してくれるのはありがたいことです。今後、日本人にとって耳が痛い指摘が聞かれるかもしれませんが、うまくコミュニケーションを取っていけば、なにも問題はないと思っています。

レフェリーの成長も必要。Jリーグは改革の時期を迎えている

2015年のJリーグが開幕しました。ボクがいま一番気になっていること、触れなくてはいけないと感じていることは、レフェリーのレベルについてです。選手がレベルアップするためには、レフェリーのレベルアップも必要です。最近、いろいろと話題になっている誤審については、ここで指摘することもないでしょう。

選手の目線で見たときにボクが望むのは、流れを止める笛を吹かないでほしいということです。たとえば、守備側の立場から考えたときに、国際試合ではファウルにならないタックルで笛を吹かれると、球際に強くアタックできなくなります。同じく、絶好のタイミングで身体を寄せてボールを奪い、相手にユニホームを引っ張られながらも前方への勢いそのままに攻撃へ移行しようとしたとします。本来は流すべき状況ですが、笛がなって止められてしまうことがあります。流れを読めずにすぐに笛を吹いてしまう傾向があるのです。

また、レフェリーには監督や選手と試合中にもっとコミュニケーションを取ってほしいと思います。判断を誤ったとしても、その場ですぐに説明すれば、選手たちもひとまず納得するでしょう。ボクが現役時代の経験では、異議を唱えると熱くなり、冷静さを失ってしまうレフェリーがいました。正直、レフェリーには不信感を持ってプレイしていたと思います。

こうした状況は変えなければいけません。

J1が2ステージ制になるなど、今年は新たな試みが成されています。レフェリーに関しても、新たな取り組みをしていくべきです。選手に警告や退場があって出場停止があるように、明らかな誤審があったレフェリーには同様の厳しい対応が必要です。内々で指導するだけでなく、どうやって技術向上に努めているかを公にすることで、レフェリーを守ることにもなります。しっかりと指導を受けてきたのだなと納得することができます。

日々、進化を遂げているサッカーの発展に、レフェリーが追いつけていない現状があります。試合をさばくレフェリーを増やす、ゴールラインテクノロジーを導入するなど、Jリーグは進化しなければならない時期を迎えています。日本サッカーの発展のために、改革すべきときを迎えていると感じています。

構成/飯塚健司
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