コンフェデ杯を逃した日本がすべきこと
アジアカップは、ワールドカップ(W杯)から半年後という難しいタイミングで行われたが、優勝したオーストラリアを筆頭に各国ともに予想以上に若い選手を抜擢し、未来をにらんだチームで臨んで来た。特にベスト4入りを果たしたイラクやUAEは、ユースから結果を積み上げて来た選手たちを軸に、フル代表の成果に繋げた。逆に日本は、コンフェデレーションズカップの重要さを理解しているだけに、ほぼW杯のままのメンバーで臨み、そして敗退した。もちろん内容的にベスト8が妥当だったとは思わないが、最も経験豊かで完成度の高いはずのチームで敗れたという事実は重い。
つまりアジアの有力国の中で、日本は次のW杯へ向けての準備で最も遅れを取っている。そう考えれば、6月に始まるW杯1次予選などは、従来の主力を外してでも大胆な試みをしておく必要がある。
特に日本で最大のウィークポイントとなっているCBは、このタイミングで思い切って若手に切り替えてしまう手もある。なかなか途中で代えられるポジションではないので、できればロシアから2度のW杯を戦える人材に託したいところだ。
もしアギーレ体制が続けば、アジアカップ後は昌子源と植田直通の出場機会が増えていった可能性が高い。まだ代表では起用されていない2人だが、それでも敢えてアギーレはアジアカップに連れて行った。資質的にも3年後のロシアの主力と考えていたに違いない。
さらにCBに求められるサイズと能力を考えれば、岩波拓也も加えたい。例えば、過去の日韓両代表の歴史を見ても、ホン・ミョンボや井原正巳は、いきなり20歳前後で大抜擢され、以後10年以上も主力として君臨した。特に日本の場合は、条件を揃えたCBが少ないだけに、今から彼らを代表戦のピッチに送り出しても早過ぎることはない。植田と岩波は、五輪予選で忙しくなるので使い方は考えていく必要があるが、少なくとも現レギュラーの吉田麻也、森重真人と併用しながら経験を積ませたい。
また新監督がどのフォーメーションを使うかは未知数だが、今野泰幸の後継者としては米本拓司に期待したい。国内ではインテンシティが高く、ボールを刈り取り、縦への推進力を生み出せる稀な才能の持ち主。故障の影響もあったが、今まで代表で試されていないのが不思議な存在ではある。アグレッシブな半面、時に致命的なミスが顔を出すのがマイナス要素なのだろうが、アギーレ体制のようにアンカーを置くシステムが今後使われるならば適任だ。代表に異質な色を添えてくれる可能性もある。