28日、バイエルンは指揮官カルロ・アンチェロッティを解任した。今季は開幕前のプレシーズンから思うような結果を残せず、チームの状態を不安視する声も多かった。それは開幕後も変わらず、チャンピオンズリーグではパリ・サンジェルマンに0-3と完敗。アンチェロッティ政権は終焉を迎えた。
問題は後任を誰に任せるかだ。今後はアシスタントコーチのウィリー・サニョルが暫定的に指揮を執ることになるようだが、落ち着いた段階でバイエルンをチャンピオンズリーグ制覇など大成功に導く人物を招聘しなければならない。
そこで英『BT Sport』は、アンチェロッティの後任候補を6名ピックアップしている。
まず1人目は最も名前が挙がっている現ホッフェンハイム指揮官ユリアン・ナーゲルスマンだ。まだ30歳と若い戦術家はホッフェンハイムで高い評価を受けており、以前から将来バイエルンの指揮官になるのではないかと言われていた。経験の浅さからスター軍団をまとめられるのか不安も残るが、同メディアは最右翼と捉えている。
2人目は昨季限りでドルトムントの指揮官を退任したトーマス・トゥヘルだ。少々個性が強すぎる指揮官で、ドルトムントではコロコロとシステムが変わるやり方に選手側が混乱していたこともあった。ブンデスリーガで一定の評価を受けているのは間違いないが、ビッグクラブを指揮するにふさわしい手腕かは疑問が残る。
3人目は現ドイツ代表監督ヨアヒム・レーヴだ。可能性は高くないと同メディアは見ているが、レーヴも以前から次期バイエルン指揮官に挙げられていた。ドイツ代表を長年指揮した経験は大きく、何より成功を収めている。経験値などを考慮すると前述した2人より信頼しやすいのではないか。
4人目は驚きの選出だが、上海上港を率いるアンドレ・ビラス・ボアスだ。ナーゲルスマンと同じく若いころから注目を集めていた指揮官で、これまでチェルシーやトッテナムを指揮してきた。ただし思うような結果は出せず、こちらもバイエルンほどのクラブを指揮できるかは疑問だ。
5人目はそのままサニョルに指揮を任せる案で、現役時代にバイエルンで長くプレイしていたことは大きい。経験は浅いが、今後の出来次第では任せるのも良いかもしれない。
そして最後の6人目に挙げられたのは昨年アメリカ代表監督を解任されたユルゲン・クリンスマンだ。クリンスマンは現役時代バイエルンでプレイし、2008年からは短期間で解任されたが指揮官を務めたこともある。また、ドイツ代表で指揮を執った経験もある。こちらも手腕には疑問もあるが、ドイツサッカー界のレジェンドなのは間違いない。
今のバイエルンを指揮するのは簡単なミッションではなく、アンチェロッティでさえ選手を上手くコントロールできなかった。後任もかなり難しい仕事となるはずだが、誰がバイエルンの指揮官に合うのか。クラブの強さを維持するためには、アンチェロッティの後任は慎重に選んだ方がよさそうだ。