今夏もプレミアリーグ勢は上位陣を中心に豪華な補強を続けており、マンチェスターの両クラブやチェルシー、エヴァートンなど各クラブはお金をかけて実力者を集めている。彼らの選手層は間違いなく厚くなっているが、対照的なのが2016-17シーズンに2位に入ったトッテナムだ。トッテナムはここまで目立った補強もなく、選手を売却するわけでもない静かな夏を過ごしている。これにはチェルシー指揮官のアントニオ・コンテも「トッテナムは何を望むのか」と疑問を投げかけており、補強に熱心な他クラブと比較してトッテナムは本当に動きがない。
これに英『sky SPORTS』は「大型補強が正しいのか、継続性が正しいのか」と特集を組んでいる。トッテナムはあくまで中堅クラブであり、今夏主力選手を大量に引き抜かれているモナコのようになっても不思議はない。しかしトッテナムはデル・アリやエリック・ダイアーなど能力の高い若手を守り通しており、新シーズンもほとんど陣容に変化がないまま戦えると見られている。目立った戦力補強はないものの、今のトッテナムには他クラブにはない一貫性がある。
トッテナムの選手たちも大型補強には難色を示しており、司令塔のクリスティアン・エリクセンは「大量の選手を買った時、チーム全員が今何が起きているかをすぐ理解しないといけないし、運も必要になってくるんだ」とコメントしており、ムサ・デンベレも「同じグループを維持することは非常に良いことだ。互いを理解しているからね」と語っている。マンチェスターの両クラブやチェルシーは新たな選手を加えた中で開幕を迎えるため、彼らがすぐ機能するかは不透明だ。一方のトッテナムはこれまでと何も変わらない状態でスタートでき、連携面などに不安は全くない。補強が無いのは寂しい気もするが、2016-17シーズン終盤戦の勢いそのままに開幕から連勝スタートを 切ることも容易に想像できる。
同メディアは成功へ向けて積極的な補強を続ける他の上位陣VS継続性のトッテナムの構図と見ているようだが、トッテナムは今のままでプレミア制覇を達成することはできるのか。補強していないトッテナムが開幕から快進撃を見せれば、大きな話題を呼ぶことになりそうだ。