CWC準優勝の鹿島より上 韓国・中国も認める”日本最強のクラブ”浦和にかかるアジア制覇の期待

止められない圧倒的な攻撃力

止められない圧倒的な攻撃力

アジアから一目置かれる浦和 photo/Getty Images

近年は圧倒的な資金力を誇る中国のクラブがACLで力を発揮してきたが、今季は日本勢も一味違う。今大会はグループEで昨年クラブワールドカップ準優勝を果たした鹿島アントラーズが決勝トーナメント進出を決めている他、グループFでも浦和レッズ、グループGでは川崎フロンターレも突破を決めた。一方で韓国勢は済州ユナイテッド1チームだけが決勝トーナメント進出と苦しんでおり、中国メディア『金羊網』は「Jリーグのチームが強さを取り戻した。今回は日中対決になる」と伝えている。

何より驚きなのは日本勢の破壊力だ。グループFを首位で通過した浦和は18得点を記録したが、これは中国の広州恒大と並んでグループ最多の数字だ。しかも広州恒大は東方相手に2試合で13得点と固め打ちしているため、内容では浦和の方が上回っていると考えることもできる。それに次ぐのは上海上港、カタールのレフウィヤの15得点、UAEのアルアインの14得点、そしてグループEの鹿島が13得点となっており、今季の日本勢は高い攻撃力を武器に戦っている。その火力は中国勢にも劣らず、今季こそはACL制覇の期待もかかる。

韓国の『スポーツ朝鮮』は「資金力の中国、技術力の日本」と紹介しており、Jリーグのクラブが誇るテクニックはスター軍団の中国勢相手にも十分通用するレベルにあると捉えられている。以前まではテクニックだけで戦うメンタリティがないとも言われたが、近年は気持ちを前面に出してくる韓国や中国とのクラブともしっかり戦えている。その韓国勢は今季のACLで苦戦しており、余計に日本勢の躍進が気になるところだろう。
中でも今季期待がかかるのは浦和だ。浦和は日本を代表する強豪クラブだが、ACLではあっさりグループステージで敗退してしまうなど残念なシーズンもあった。しかし今季は圧倒的な攻撃力を武器にスタートダッシュに成功しており、ACLだけでなく国内リーグでも最多となる24得点を記録している。現時点で得点数が20を超えているのは浦和とガンバ大阪だけで、7ゴールで得点ランキング首位の興梠慎三、6ゴールで2位のラファエル・シルバと好調時は手がつけられない。ここ最近はなかなか得点を奪えず鹿島との直接対決にも敗れてしまったり、その鹿島戦でDF森脇良太の問題発言があったりと悪い話題が続いており、プレイ以外の面でも改善すべき点は多い。ただし、それでもアジアは今の浦和を驚異の相手と 警戒している。昨年レアルを追い詰めた鹿島の姿を見た世界のサッカーファンの中には鹿島こそJ最強のクラブとの認識が生まれたかもしれないが、『スポーツ朝鮮』は浦和を「日本最強のクラブ」と紹介しており、中国の『金羊網』も「浦和は実力が高い。優勝の大本命」と伝えている。

圧倒的な資金力でかき集めたスター選手を軸に派手なサッカーを展開している中国に対し、日本は高い技術力を武器とした独自のスタイルがある。これこそ日本勢が好成績を収めている理由の1つなのだろう。近年の日本勢は開催国枠でしかクラブワールドカップに参加できていないが、今回こそはアジアを制して出場権を掴まなければならない。特に鹿島と浦和には期待が集まっているが、中国の支配に待ったをかけられるか。

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