【特集/熾烈なる欧州カップ戦出場権争い 4】“新興勢力”が躍動するブンデスリーガ 欧州カップ戦出場権の行方は?

史上最年少監督に率いられ、ホッフェンハイムが大躍進

史上最年少監督に率いられ、ホッフェンハイムが大躍進

ホッフェンハイムを上位に導いているナーゲルスマン監督 photo/Getty Images

ブンデスリーガは各チームが残り5試合を迎えて、積み上げられる上限が「勝点15」となっている。2位に勝点8差をつけているバイエルンの5連覇と、3位に勝点7差をつけているRBライプツィヒの2位は“当確”を出していいだろう。

ラルフ・ハーゼンヒュットルが率いるRBライプツィヒは23節アウクスブルク戦に引き分け、24節ヴォルフスブルク戦、25節ブレーメン戦に連敗したときは勢いが下降するのではと懸念されたが、その後に4連勝して持ち直している。3位ホッフェンハイムも好調だが、現在のチーム状況、残り対戦相手を考えると順位変動があるとは考えられない。

その3位ホッフェンハイムは4位ドルトムントと勝点1差で熾烈な順位争いをしている。3位だとUCL本大会からの出場になるが、4位だとプレイオフを戦わなければならない。なにかと話題のブンデスリーガ史上最年少監督、29歳のユリアン・ナーゲルスマンが指揮を執るホッフェンハイムは、RBライプツィヒとともに今シーズンのブンデスリーガに旋風を巻き起こしたチームで、ここまでの躍進は予想されていなかった。

ナーゲルスマンはアウクスブルクの下部チームに所属していた20歳のときに膝の負傷で現役を引退しているが、このとき監督を務めていたのがトーマス・トゥヘルだった。出会いとは不思議なもので、トゥヘルは自身も膝の負傷のため24歳で引退しており、若くして引退したナーゲルスマンを対戦相手のスカウティング担当に任命した。これがキッカケとなって指導者の道へ進んだナーゲルスマンは、「トゥヘルの存在は私のキャリア選択に大きな影響を与えた」と後に回顧している。

トゥヘルと同じく既存の考え方にとらわれないナーゲルスマンは状況に応じて戦術やシステムを変えることができる柔軟性があるチームを作り上げた。開幕から4試合連続で引き分けるなどシーズン序盤は競り勝つことができず、前半戦は6勝10分けと引き分けが多かった(無敗だったが!)。しかし、後半戦になって勝負強さを発揮するようになり、27節バイエルン戦にもアンドレイ・クラマリッチが奪った1点を守りきって1-0で勝利している。

ホッフェンハイムの残り試合のなかには、ドルトムントとのアウェイゲームがある(32節)。UCLに本大会から出場できる3位をキープしてシーズンを終えるのか、プレイオフからとなる4位に順位を下げるのか──。直接対決の結果が両者の順位を決定するだろう。

下位との対戦を残しているボルシアMGにチャンスあり

下位との対戦を残しているボルシアMGにチャンスあり

ボルシアMGを率いるヘッキング監督 photo/Getty Images

5位以下はわずかな勝点差のなかに多くのチームがひしめいている。現在はヘルタ・ベルリンが勝点43で5位となっているが、10位のフランクフルトが勝点38でわずかに5差しかない。さらに広げれば、12位レヴァークーゼンとも7差だ。多くのチームにUELの出場権が与えられる5位(本大会)、6位(予選3回戦)に入る可能性がある状態だ。

とはいえ、シーズン終盤を迎えて調子を上げているチームがあれば、下降しているチームもある。最近5試合を参考にすると、ヘルタ・ベルリンは1勝4敗と勢いを失っている。7位ケルンにもシーズン序盤の勢いがなく、2勝3敗と苦しんでいる。両者の状況を表わしているのが29節で、ヘルタ・ベルリンはマインツに、ケルンはアウクスブルクに敗れ、ともに下位に沈む相手から勝点を得ることができなかった。現状を考えると、この2チームはいまよりも順位を下げるかもしれない。

そうなると6位フライブルクにチャンスがあるが、31節ダルムシュタット(18位)、33節インゴルシュタット(17位)との試合でしっかりと勝点6を獲得できるかどうかがカギになる。それ以外の3試合はレヴァークーゼン、シャルケ、バイエルンとの戦いで、いずれも勝利が見込めるとは言えない。現在勝点41のフライブルクは「6+α」をなんとか上乗せしたいところだ。

なぜなら、いずれも勝点39の8位ブレーメン、9位ボルシアMGが尻上がりに調子を上げているからだ。ブレーメンは最近5試合に4勝1分けで、それ以前をみても21節マインツ戦に2-0で勝ったのを皮切りに9試合連続で負けていない。この間の成績は7勝2分けと、一時は降格圏内にいながらシーズン途中から指揮を執るアレクサンダー・ヌーリのもと驚異的なペースで勝点を稼いでいる。ただ、ブレーメンは残り5試合のなかにホッフェンハイム、ドルトムントとの対戦を残している。これ以外のインゴルシュタット、ヘルタ・ベルリン、ケルンとの戦いで勝点9を積み上げることが6位以内に食い込む条件となるだろう。

前半戦は不調だったボルシアMGもこれまたシーズン途中から指揮を執るディーター・ヘッキングのもと息を吹き返し、後半戦になって7勝2分け4敗でジワジワと順位を上げている。30節にドルトムント戦を残しているが、31節からの終盤4試合はマインツ、アウクスブルク、ヴォルフスブルク、ダルムシュタットで下位との連戦になっている。現在のチーム状態、残り対戦相手を考えると、ボルシアMGが6位以内でシーズンを終える可能性が高そうだ。



文/飯塚 健司

サッカー専門誌記者を経て、2000年に独立。日本代表を追い続け、W杯は98年より5大会連続取材中。日本スポーツプレス協会、国際スポーツプレス協会会員。サンケイスポーツで「飯塚健司の儲カルチョ」を連載中。美術検定3級。

theWORLD185号 2017年4月23日配信の記事より転載

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