1人だけ”パス成功率92%”! バルセロナにとって大きすぎたD・アウベス退団の代償

特別な違い生む

11日に行われたチャンピオンズリーグ決勝トーナメント準々決勝1stレグ、ユヴェントスとバルセロナの一戦ではユヴェントスのFWパウロ・ディバラの活躍が目立った。ディバラはこの試合で2得点を記録。バルセロナFWリオネル・メッシと比較されるのも頷けるだけの活躍を見せた。しかし、注目すべきは得点を決めたディバラやジョルジョ・キエッリーニだけではない。

この試合で印象的だったのはユヴェントスの右サイドバックを務めるダニエウ・アウベスだ。アウベスといえば昨夏にバルセロナからユヴェントスに移籍しており、今回は古巣対決だった。序盤から積極的に相手を潰していた姿を見ても、この試合に特別な思いを持って臨んでいたことが分かる。そして何より、バルセロナの黄金期を支えたメンバーであるだけに相手のプレスをかわすのが非常に上手い。この日もプレスを受けても慌てることなく対処しており、ユヴェントスの他の選手とは一味違うところを見せていた。

それはデータにも表れている。データサイト『WhoScored』によると、アウベスはこの試合でパス成功率92・9%を記録。これはチーム最多の数字で、いかにミスが少なかったかが分かる。試合前にアウベスはバルセロナが自身のことを恋しがっているはずとコメントしていたが、今回のパフォーマンスを見ればバルセロナが放出を悔やんでいたとしても不思議はない。
バルセロナもアウベスの代わりを務めるセルジ・ロベルトが奮闘しており、こちらもこの試合でパス成功率91%を記録している。しかし、アウベスの数字とは意味が異なる。バルセロナは前からボールを奪おうとするチームで、ユヴェントスの最終ラインは何度かバルセロナのプレスに対応できずにボールをロストしている。そのため、アウベス以外の選手はパス成功率が低くなっているのだ。左サイドバックのアレックス・サンドロは80%、センターバックのキエッリーニは65・6%、レオナルド・ボヌッチは57・9%まで落ちる。

一方、バルセロナの最終ラインの選手たちはそれほど厳しいプレスは受けていない。そのため、アンカーのハビエル・マスチェラーノは95・8%、センターバックのサミュエル・ウンティティが92・2%、ジェラール・ピ ケが91・8%と、ほとんどの選手が80%台後半から90%台を記録している。そう考えるとセルジ・ロベルトの91%はそれほど珍しい数字ではない。

アウベスがいれば今でもメッシと上手く絡んで右サイドを崩してくれたのではないか。バルセロナ陣営がそう考えていても不思議はない。同サイトもアウベスにはディバラ、キエッリーニに次いで高い7・64点の評価を与えており、この試合では非常に目立つ存在だった。バルセロナサポーターの中にも、アウベス退団を嘆いた者は少なくなかったはずだ。

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