[五輪現地レポ 3]スウェーデン戦前夜 運命の地サルバドールへ

絶対に勝たなくてはならない

絶対に勝たなくてはならない

興梠、浅野の前線2枚の動きがカギを握る photo/Getty Images

いよいよ大一番である。

負けたら終わり、勝ってもコロンビアの結果次第ではグル-プリ-グ敗退になるが、ともかくもスウェ-デン戦は勝たないといけない試合だ。

決戦の地サルバド-ルは、マナウスと違って湿度が低く、過ごしやすい。試合時間の7時は涼しくてかなり快適だが、それは北欧のスウェ-デンにとっても同じ。この環境下ではいい試合が望めそうだ。

「チ-ムは1試合、1試合と良くなっているんで次は自信を持って挑めると思います」

室屋成は、そう言った。

ナイジェリア戦で出たメンタル面の問題と守備の課題をコロンビア戦で修正した。2失点はしたが、1失点はオウンゴ-ルで崩されたわけではない。球際への厳しさも戻り、ようやく自分たちのスタイルを取り戻しつつある感じだ。

原点回帰とも言える自分たちのスタイルに戻ったひとつの要因が選手間の距離だ。コロンビア戦は4-4-2のシステムだったが、日本はボランチの遠藤航、井手口陽介と攻撃的MFの中島翔哉と矢島慎也の4人がボックス型になり、極めていい距離感になってボ-ルを回し、攻撃を仕掛けていた。

4-3-3の時も前線の興梠慎三と南野拓実、中島の3人はいい距離感でプレイしていたが、それが4-2-2にも活かされていたようだった。

「距離というのはプレイする中でずっと意識しています。お互いの距離が近くなればいろんな攻撃ができるし、そうしないと世界ではなかなか点は取れないんで」

コロンビア戦、途中出場した大島僚太は言う。

大島が縦パスを出し、南野から浅野へと渡って決めたゴ-ルは、まさに3人の絶妙な距離とポジショニングが生んだゴ-ルだった。その後も両サイドバックを使ったり、外と中をうまく使い分けて、相手の守備を混乱させていた。

また、やり方が馴染んでいる4-4-2に戻し、役割がより明確になったのも大きい。遠藤航は、4-4-2にしたチ-ムへの効果をこう語った。

「ひとりひとりやることがハッキリしたのが良かったと思う。守備もうまくハマっていたし、いい守備がいい攻撃につながるなって改めて感じた。また、高い位置でボ-ルを奪った瞬間、前線にポイントになるところが慎三(興梠)さんと拓磨(浅野)の2枚になる。それが大きいし、慎三さんや拓磨がセカンドボ-ルを拾える回数がすごく多かった。それは全体がコンパクトになっていたからだと思います。こういうした細かいところがゲ-ムを優位に進める上で重要になってくる」

攻守に自分たちのスタイルを復活させ、ナイジェリア戦よりもコロンビア戦とチ-ムの状態を上げてきた。ようやく勝てるチ-ムになった感があるが、グル-プリ-グ最終戦で当たるのが欧州チャンピオンのスウェ-デンである。

これまでの試合を見てみると、センタ-バックのアレクサンデル・ミロシェビッチとヤキ-ム・ニルソンは高さこそあるがスピ-ドがなく、縦の早い動きにもついてこれない。ボランチも特長がなく、ボ-ルへのアプロ-チもル-ズだった。

「スウェ-デンは日本っぽいですね。チ-ム全体でボ-ルを運んで、組織で守る感じ。さすがにナイジェリアのようなディフェンスラインのル-ズな感じはないけど、日本っぽいし、なんかJリ-グっぽい感じです。2試合を見た感じでは積極的に前から来てくれるので高い位置で奪って回して、ボランチの脇のスペ-スを突けると思う。90分間そこを継続して突けば必ず消耗する時間があると思うんで、その隙を突けば必ず点が取れると思います」

原川力は自信たっぷりにそう語った。

少なくとも身体能力など個の能力が高いナイジェリアや、技術が高く抜け目ないコロンビアとは異なり、ある意味王道のサッカ-スタイルなので戸惑うことはない。前線には身長が高い選手がいるが、セットプレイとミドルをケアすればナイジェリア戦のような大量失点は十分に避けられる。

「僕らは、僕らのやり方で勝つしかない」

遠藤はそう言った。

このチ-ムの勝ちパタ-ンとは、失点をゼロに抑えて、先制点を奪い、相手が前に出てきたところで隙を突き、とどめを刺す。これまでの2戦は、打ち合う展開になり、相手の土俵で戦うことが多かったが、スウェ-デン戦は自分たちの“やり方”で世界での1勝を掴み、次への希望を紡ぐしかない。

文/佐藤 俊

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