Group_B 第2節 イングランド 2-1 ウェールズ
2016年6月16日 / ランス / 現地15時キックオフ
EURO2016、グループBは注目の一戦を迎えた。イングランドとウェールズの英国ダービー。しかも、グループ首位なのは初戦を勝利で飾ったウェールズの方。一方のイングランドは初戦でロシアを相手に手痛いドローに持ち込まれており、負けられない状況となっていた。
初戦と同じメンバーで臨んだイングランドは、いきなりウェールズの最終ラインを脅かすアグレッシブなスタートを見せる。7分にはカウンターから右サイドをララーナが駆け上がり中へクロス。スターリングがボレーで合わせるが、ボールはクロスバーを越えていった。
しかし次第にゲームは沈静化。ウェールズの組織だった守備の前に、イングランドは攻めあぐねる時間が続く。32分には、ボックス内でケインと競り合ったベン・デイヴィスの腕にボールが接触するが、故意ではないとの判断かホイッスルは鳴らない。36分に放ったスモーリングのヘディングも枠を捉えず、時間が過ぎていく。
すると、42分にゴール正面やや遠目で、ウェールズがフリーキックを獲得。ベイルが左足を振り抜くと、ボールは揺れて変化しながらゴール右隅へ飛ぶ。GKハートはボールに触れたが、弾ききることができずネットが揺れた。初戦に続きベイルが恐るべき“魔球”を見せつけ、ウェールズが1点のリードで前半を終える。
ホジソン監督は後半開始から手を打つ。スターリングに代えてスタリッジを、ケインに代えて期待のバーディを投入し、攻撃に比重を置いた布陣で得点を獲りにかかる。55分にはバイタルでボールを受けたルーニーがゴール隅を狙ったコントロールシュートを放ち、ウェールズゴールを脅かす。
そして直後の56分、ゴール前での混戦からこぼれ球に反応したのはバーディ。反転ボレーを叩き付け、期待に応える同点ゴールを挙げた。波に乗ったイングランドは、ウェールズを自陣に釘付けにし、波状攻撃を仕掛けていく。
73分にはラッシュフォードも登場するが、次第にイングランドの攻撃は停滞してしまい、ゲームは動かない。しかし、このまま終了かと思われたアディショナルタイム、またしてもドラマは起きた。バーディ、アリとの絡みでボックスに侵入したスタリッジが右足でニアを抜き、劇的な決勝点を挙げる。
そのままゲームは終了。初戦では終了間際に足もとをすくわれたイングランドだったが、今回は土壇場で逆転弾。決勝トーナメント進出に向け、大きな勝点3を手に入れた。EURO初となる英国ダービーは、最後まで気の抜けない好ゲームだったといえるだろう。
[イングランド代表]
監督 ロイ・ホジソン
GK
ジョー・ハート(マンチェスター・C)
DF
ダニー・ローズ(トッテナム)
ギャリー・ケイヒル(チェルシー)
クリス・スモーリング(マンチェスター・U)
カイル・ウォーカー(トッテナム)
MF
エリック・ダイアー(トッテナム)
デル・アリ(トッテナム)
ラヒーム・スターリング(マンチェスター・C)
アダム・ララーナ(リヴァプール)
ウェイン・ルーニー(マンチェスター・U)
FW
ハリー・ケイン(トッテナム)
交代出場
46分 ダニエル・スタリッジ(リヴァプール)
(OUT ラヒーム・スターリング)
46分 ジェイミー・バーディ(レスター)
(OUT ハリー・ケイン)
73分 マーカス・ラッシュフォード(マンチェスター・U)
(OUT アダム・ララーナ)
[ウェールズ代表]
監督 クリス・コールマン
GK
ウェイン・ヘネシー(クリスタル・パレス/イングランド)
DF
べン・デイヴィス(トッテナム/イングランド)
アシュリー・ウィリアムズ(スウォンジー/イングランド)
ジェイムズ・チェスター(ウェストブロムウィッチ/イングランド)
MF
ジョー・レドリー(クリスタル・パレス/イングランド)
ジョー・アレン(リヴァプール/イングランド)
ニール・テイラー(スウォンジー/イングランド)
アーロン・ラムジー(アーセナル/イングランド)
クリス・ガンター(レディング/イングランド)
FW
ガレス・ベイル(レアル・マドリード/スペイン)
ロブソン・カヌ(レディング/イングランド)
交代出場
67分 デイビッド・エドワーズ(ウォルバーハンプトン/イングランド)
(OUT ジョー・レドリー)
71分 ジョナサン・ウィリアムズ(MKドンズ/イングランド)
(OUT ロブソン・カヌ)
※所属チームは、2015/16シーズンです。
[得点]
イングランド:バーディ(56)、スタリッジ(90+)
ウェールズ:ベイル(42)