フットボール・エンブレム秘話  EUROを席巻する小国たちの物語 <前編>

小国たちの躍進がサプライズを巻き起こす

今年のEUROで注目を集めているのは、ドイツやスペインなどの大国ばかりではない。今回からグループリーグの出場枠が16カ国から24カ国に拡大されたこともあり、今まであまり関心事とされてこなかった小国たちの戦いぶりに注目が集まっている。大国オランダがまさかの予選敗退を喫してしまったように、欧州ではナショナルチームの実力差が、これまでになく小さいものとなっているのだ。虎視眈々とジャイアントキリングを狙う小国たちのアイデンティティは、ユニフォームの胸にあしらわれたエンブレムからも読み解くことができる。

まず、今回のEUROで躍進が期待されているのはオーストリアだ。ロシア、モンテネグロ、そしてFWズラタン・イブラヒモビッチらを擁するスウェーデンを抑えて、予選リーグを9勝1分と無敗で突破した。

オーストリアのEURO出場はスイスとの共催となった2008年大会以来のことで、予選を突破しての初めての出場となった。元スイス代表マルセル・コーラー監督の指導の下、バイエルンのダビド・アラバを中軸に据えた組織的なパスサッカーがウリで、予選リーグでは10試合で22得点5失点と強さを発揮した。
そんなオーストリアのエンブレムのモチーフは国章そのもの。かつてはオーストラリア国旗にちなんだ盾型のバックがあったが、今大会モデルは、そのまま国章のみとなった。象徴的な鷲は、ビザンツ帝国で使用されていたモチーフであり、かつてのオーストリア・ハンガリー帝国の国章だ。ハプスブルク家の紋章で、もともと双頭の鷲だったが、現在は単頭の鷲に置き換えられている。

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