現地時間28日、イタリア・ミラノのサン・シーロで行われたUEFAチャンピオンズリーグ決勝で、レアル・マドリードとアトレティコ・マドリードが激突した。
2シーズン前の決勝と同一カードとなった一戦は、序盤からレアル・マドリードが主導権を握って試合を進める。6分にはMFベイルのFKにFWベンゼマが合わせてアトレティコゴールに迫り、セットプレイからチャンスを創りだす。ここはリーグ戦で18失点しかしていないGKオブラクが好セーブを見せるも、レアルは15分に再びセットプレイから決定機を迎える。左サイドの浅い位置でFKを得ると、MFクロースがゴール前に蹴りこむ。これをニアサイドにいたMFベイルが頭ですらすと、DFセルヒオ・ラモスが左足で押し込んで先制に成功する。
その後は、レアルがボールを保持して試合をコントロールする時間が続いたが、次第にアトレティコがペースを握っていく。43分にはFWグリーズマンがペナルティエリアの手前からシュートを狙っていくも、ゴールをこじ開けることができないまま前半を終える。
追いかけるアトレティコは、後半立ち上がりからMFアウグストに代えて22歳のベルギー代表MFカラスコを投入し、[4-1-4-1]の布陣に変更する。すると47分、FWフェルナンド・トーレスがボックス内でDFペペに倒されてPKを獲得。キッカーのグリーズマンの放ったシュートはクロスバーを直撃し、同点に追いつく絶好の機会を逃してしまう。
だが選手交代が功を奏し、59分にはMFカラスコによる左サイドからのクロスにMFサウールが合わせてボレーシュートを放つなど、アトレティコがレアルのゴール前に攻めこむ展開が続く。その後もレアル相手にボールを保持したアトレティコだったが、MFカゼミーロに攻撃の芽をつまれ、次第にトーンダウンしてしまった。
タイムアップまで残り10分に迫ったところで、アトレティコに決定機が訪れる。DFフアンフランがMFガビからの浮き球のスルーパスを受け、右サイドを突破するとダイレクトでクロスを送り込む。ファーサイドからゴール前に走りこんできたMFカラスコが右足で押し込んでネットを揺らし、同点に追いついた。そのまま90分を迎え、延長戦へと突入する。
延長戦では足をつって倒れこむ選手が続出し、消耗戦となったが120分で決着がつかず、PK戦にもつれ込む。PK戦は互いに3人目までが成功。レアルは4人目のセルヒオ・ラモスが成功するも、アトレティコのDFフアンフランの蹴りこんだシュートは左ポストを直撃する。最後に5人目のクリスティアーノ・ロナウドがゴールを決め、ネットが揺れた瞬間、スタジアムは大歓声に包まれた。
レアル・マドリードは、優勝候補だったバルセロナ、バイエルン・ミュンヘンを撃破して決勝まで進んできたアトレティコ・マドリードをPK戦の末下して、2年ぶり11度目の優勝を達成した。就任1年目のジネディーヌ・ジダン監督はプレイヤーとしても、監督としてもビッグイヤーを掲げることになった。
[メンバー]
レアル・マドリード:[4-3-3]ナバス、カルバハル(→ダニーロ 52)、ぺぺ、セルヒオ・ラモス、マルセロ、カゼミーロ、モドリッチ、クロース(→イスコ 72)、ベイル、ベンゼマ(→ルーカス・バスケス 77)、クリスティアーノ・ロナウド
アトレティコ・マドリード:[4-4-2]オブラク、フアンフラン、サビッチ、ゴディン、フィリペ・ルイス(→ルーカス・エルナンデス 109)、サウール、ガビ、アウグスト(→カラスコ 46)、コケ(→トーマス 116)、グリーズマン、フェルナンド・トーレス
[スコア]
レアル・マドリード 1-1(PK:5-3) アトレティコ・マドリード
[得点者]
レアル・マドリード:セルヒオ・ラモス(15)
アトレティコ・マドリード:カラスコ(79)