レスターは時代遅れなのか、流行の最先端なのか パスを繋げないセンターバックに注目集まる

現代では技術のあるDFが重宝されるが……

現代では技術のあるDFが重宝されるが……

鉄壁のコンビを築くモーガンとフートphoto/Getty Images

現代のセンターバックに求められているのは、攻撃の出発点になるパス能力だ。来季からマンチェスター・シティで指揮を執るジョゼップ・グアルディオラも同様のことをセンターバックに求めるはずで、今の時代パスを苦手としているセンターバックは一流とは認められない。しかし、そんなトレンドに逆行しているのがレスターのウェス・モーガンとロベルト・フートの2人だ。

現在リーグ戦で上位につけているクラブには、必ず攻撃の起点にもなれる優れた技術を持つセンターバックが いる。2位のトッテナムにはヤン・フェルトンゲン、3位のアーセナルにはローラン・コシェルニーだ。英『Sky Sports』によると、彼らは今季のパス成功本数が1000本を超えており、攻撃を組み立てる役割も担っている。

一方で、モーガンとフートは彼らに比べてほとんどボールを繋いでいない。フートのパス成功本数は彼らの約半分となる525本、モーガンは516本だ。興味深いことに2人より20試合も出場数が少ないマンチェスター・シティDFヴァンサン・コンパニでも彼らよりパス本数が多いのだ。いかにレスターの2人が繋げていないかが分かる。
しかし、彼らは組み立てに貢献できないかわりに1番の仕事である守備でチームを助けている。レスターの2人は現在トップ4に入っているクラブの中で最もシュートブロックの数が多く、モーガンが34本、フートが31本だ。それに次ぐのはトッテナム のアルデル・ヴァイレルトで26本、コシェルニーが21本、フェルトンゲンが16本だ。レスターの2人は決して器用な選手ではないが、相手のシュートに体を投げ出すなどガッツ溢れるプレイでチームを後方から支えている。

それぞれチームスタイルに違いはあるものの、レスターのやり方は時代遅れとも取れる。それともレスターこそ流行の最先端を行くチームなのか。レスターは現代の強豪クラブではなかなか見られない貴重なスタイルで戦っている。

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