名良橋晃の定点観測♯19「欧州組中心で挑むW杯予選。失点0での連勝を期待する」

ミニキャンプに参加していたメンバーからは、最終的に小林が招集された。Photo/Getty Images

守備を固める相手を日本代表がどう打開するかが見どころ

日本代表のW杯予選が3月24日(アフガニスタン戦)、29日(シリア戦)に行なわれます。同時期にU-23代表のポルトガル遠征があるため、遠藤航、植田直通といった若い選手の招集は今回はありません。16日時点でメンバーはまだ発表されていませんが、これまでと同じく欧州でプレイする選手が中心になるでしょう。

とはいえ、ハリルホジッチ監督は3月7日~9日にかけてミニキャンプを実施し、Jリーグでプレイする選手たちに熱心な指導を行なっています。武藤嘉紀などケガ人がいる状況を考えると、このミニキャンプに参加した武藤雄樹、齋藤学、小林悠などが入ってくると面白いかもしれません。

試合に関しては、アフガニスタン、シリアとの実力差を考えると日本代表が多くの時間で主導権を握ると予想されます。あとは、守備を固める相手をいかに崩して得点を奪うかが問題になってきます。ミニキャンプではゾーンプレスを徹底し、タテに素早くパスをつなぐ従来のサッカーを徹底したようですが、今回の相手は自陣にブロックを作り、日本代表が攻撃するスペースを消してくることが予想されるので、ハリルホジッチ監督が目指すサッカーを披露する展開にはならないかもしれません。

また、W杯予選で求められるのはなによりも結果であり、とくにホームでは勝たないといけません。現在のチームはW杯予選の初戦でシンガポールに引き分けたことで必要以上にプレッシャーを感じている部分があります。これらの要素が悪いほうに働くと、本来持っている力を出せずに終わるかもしれません。

しかし、ハリルホジッチ監督が率いる日本代表はこれまでこうしたなか試合を積み重ねてきました。メンバーもあまり変わっていないので、やりにくさはなくスムーズに展開できると思います。繰り返しになりますが、アフガニスタン、シリアは守備を固めてきます。その相手に対して、日本代表がどう打開してゴールを奪うかが見どころになります。

一方で、あまり前がかりになり過ぎるとカウンターを受けることになります。これに関しては攻撃から守備への切り換えが大事で、素早くボールを奪い返し、相手にチャンスを与えない力強さを見せてほしいです。確実に失点0で試合を終えることを期待しています。

なでしこジャパンがリオ五輪予選で敗退し、フットサル代表もコロンビアで開催されるW杯の出場権を逃しました。ここで日本代表がつまずいてしまうようなことがあると、「サッカー界は大丈夫なのか?」とサポーターのみなさんを心配させることになってしまいます。応援してくださる方々のためにも、しっかりと連勝してほしいです。

ファン・ウェルメスケルケン(左)にはリオ五輪出場のチャンスがある。Photo/Getty Images

田嶋会長、岡田副会長でJFAはどう変わるのか? より良くなってほしい

日本代表の今後を考えると、新しい選手の台頭が絶対に必要です。このままだと、なでしこジャパンと同じ現象に陥ってしまう可能性があります。なでしこジャパンは佐々木則夫監督と選手ばかりが大きな責任を背負って戦っているように感じました。もちろん、代表監督や選手には責任がありますが、日本サッカー協会(JFA)のサポートももっと必要だったのではないかという印象を受けました。

なでしこジャパンは選手の世代交代が進まず、指向するサッカーも大きく変わりませんでした。そうしたなかで他国に追いつかれ、追い越されてしまった。この部分に関して、もう一工夫がほしかったのも事実です。JFAには代表の強化やサポートを担当する技術委員会があります。技術委員会と現場の関係性は、外から見ていると非常にわかりにくいものです。どのように意思の疎通を図り、強化を進めているのか、サポーターのみなさんもよくわからないと思います。

JFAは田嶋幸三会長、岡田武史副会長という体制になり、技術委員長には西野朗氏が就任します。女子の技術委員長も変わり、今井純子氏が務めます。再建しなければならないなでしこジャパンも含めて、今回の人事で日本サッカー界がどう変わっていくのか? 男女ともに国内リーグであるJリーグとなでしこリーグをもっと盛り上げないといけないのは間違いないところです。国内リーグが充実し、新しい選手が出てくることではじめて、代表の世代交代が進みます。

そういった意味で、Jリーグを取材するなかで最近私が気になっている選手を何名か紹介しておきます。湘南ベルマーレの三竿雄斗はCBとSBをできる選手で、確実にレベルアップしているので将来を楽しみにしています。FC東京の阿部拓馬、水沼宏太、小川諒也もポテンシャルが高く、チームにフィットすることでもっと能力を発揮できると思っています。開幕戦でG大阪から決勝点を奪った鹿島の鈴木優磨も面白い存在です。U-23代表でプレイできる年齢なので、リオ五輪も狙えます。

U-23代表といえば、今回はじめてオランダのドルトレヒトでプレイするファン・ウェルメスケルケン・際が招集されました。右SBということで、私はとても注目しています。U-23代表の右SBは室屋成、松原健が負傷しているので、大きなチャンスがあります。また、SBの人材不足は日本代表にも当てはまります。ポルトガル遠征での評価次第では、ファン・ウェルメスケルケンに遠くない未来にハリルホジッチ監督から声がかかるかもしれません。

構成:飯塚健司

theWORLD172号 2016年3月23日配信の記事より転載

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