トゥヘルとクロップ、香川に合っているのはどっち? データで見る2人の指揮官の違い

今季前半戦では爆発していた香川

今季からドルトムントで指揮を執るトーマス・トゥヘルは、就任時の会見でユルゲン・クロップが長い年月をかけて作り出したドルトムントのスタイルを踏襲しながら戦っていくと決意を口にした。その通りにトゥヘルはクロップが残したものをベースに戦いを始め、歴史的なスタートを切った。しかし、トゥヘルは徐々に自分の色をチームに落とし込んでいる。

英『sky SPORTS』の発表したデータによると、トゥヘルとクロップの大きな違いはボールの運び方にある。トゥヘルのサッカーもカウンター時には恐ろしいほどの速度で相手ゴールへ迫るが、クロップ時代よりもボールを大事にしている傾向にある。クロップが率いていた2013-14シーズンは1試合平均のポゼッション率は52%、パス本数は501本、ドリブル回数は16・1回だった。これに対してトゥヘルが率いる今季のチームはポゼッション率が60%、パス本数が617本、ドリブル回数は11・4回だ。パスの本数が増え、ドリブルを仕掛ける機会が減っている。これはよりボールを大切にしながら戦っている証と言える。

また、今季のドルトムントはサイドからの単純なクロスでゴールを決めるケースが増えているのも特徴だ 。クロップ時代のヘディングによる得点率は9・8%だったが、今季のドルトムントは15%をヘディングで決めている。思えばトッテナム戦の先制点となったオバメヤンの得点も左サイドからのクロスに頭で合わせたものだった。
では、日本代表MF香川真司はクロップとトゥヘルどちらのスタイルに合っているのだろうか。今季前半戦では香川もファンタスティック4の一員として暴れていたが、ここ最近はスタメンから外れるケースが増えている。データだけで見るとボールを支配しながら戦うトゥヘルの方が香川に合っているように思えるが、トゥヘルはトッテナム戦でも香川をベンチに置いていた。今の香川は序盤戦からは想像もつかないスランプに陥っているが、トゥヘルのスタイルに完全には適応できなかったのだろうか。

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