ブンデスリーガ第12節が8日に各地で行われ、MF香川真司が所属するドルトムントとDF内田篤人が所属するシャルケが対戦した。
西ドイツの工業地帯に本拠地を置く両チームの対戦は「ルール・ダービー」と呼ばれ、ドイツで最も白熱する試合として知られている。勝点26でリーグ2位に立つドルトムントが本拠地ジグナル・イドゥナ・パルクに5位シャルケを迎えた。
両チームともダービーらしい緊迫した立ち上がりとなった。最初の10分は激しい中盤での攻防が見られ、ゴール前になかなか進めない。
その中で最初にチャンスを得たのはドルトムント。12分にMFギュンドアンがゴール前にロングボールを送ると、MFカストロがここに飛び込んだ。しかし、これはあとわずかでボールに合わせることができない。
シャルケは先日ドイツ代表初選出を果たした19歳MFサネが存在感を見せる。19分、左サイドバックのアオゴからクロスが上がると、加速してニアに飛び込んだサネが足で合わせるも、このシュートは枠の外へ。
ダービーらしい緊張感のある展開となったが、とうとう均衡が破られた。29分、ムヒタリアンとのワンツーで右サイドを突破したDFギンターからクロスが上がると、ゴール前に顔を出した香川が頭で合わせ、先制ゴールを挙げた。香川にとっては今季3点目となる。
先制を許したシャルケだったが、すぐに同点に成功する。32分、ドルトムントCBフンメルスの縦パスをMFゴレツカがカットすると、素早く前線のサネに展開。19歳のスピードスターは詰め寄って来るDFソクラティスをかわすと、中央のフンテラールにラストパス。これを受けたオランダ人ストライカーが冷静に決め、試合は振り出しに戻る。
このまま前半終了かと思われたが、香川のゴールをアシストしたギンターが今度はゴールを決める。43分、ギンターはCKからニアサイドで合わせ、強烈なヘディングシュートで勝ち越し弾を奪った。
後半に入ってもドルトムントはペースを落とさず、ゴールを狙い続けた。47分、得意のショートカウンターからムヒタリアン、カストロと縦につないで最後はオバメヤンがシャルケGKフェアマンとの1対1を冷静に制し、チーム3点目を奪う。
迫りくるドルトムントの猛攻に耐えるシャルケは守護神フェアマンが立て続けにスーパーセーブを披露。53分にムヒタリアンのシュートを腕一本でしのぐと、68分にもCKからソクラティスが放ったヘディングシュートを弾き出した。
フェアマンの見事なセーブで失点を阻止したシャルケは徐々に反撃に出る。70分、フンメルスからボールを奪ったゴレツカがクロスを送ると、ソクラティスがクリアしたボールを拾ったフンテラールが落ち着いてゴールを決めた。
1点差に迫ったシャルケはこの79分にも交代出場のMFホイビュルクがアウトサイドにかけたシュートを放ったが、今度はドルトムントGKビュルキがしっかりと防ぎ、失点を阻止。時間が経つにつれてドルトムントはペースを落とし、逃げ切り体勢に入る。
ドルトムントは終盤にかけてシャルケのゴールに迫るシーンが見られたが、このまま3-2で試合は終了。好ゲームとなったルール・ダービーを制し、勝点を29に伸ばした。ドルトムントはこれで公式戦7連勝となる。
[メンバー]
ドルトムント:ビュルキ、ギンター、フンメルス、ソクラティス、シュメルツァー、ヴァイグル、ギュンドアン、香川、カストロ(→ベンダー 86)、オバメヤン(→ラモス 90+3)、ムヒタリアン
シャルケ:フェアマン、カイサラ、マティプ、ノイシュテッター(→プラッテ 89)、アオゴ、ゴレツカ、コラシナツ(→ホイビュルク 68)、サネ、メイヤー(→チュポ・モティング 56)、フンテラール、ディ・サント
[スコア]
ドルトムント 3-2 シャルケ
[得点者]
ドルトムント:香川(29)、ギンター(43)、オバメヤン(47)
シャルケ:フンテラール(32, 70)