名良橋晃の定点観測♯6「日本らしさを引き出せる新監督を希望。Jリーグには見どころがいっぱいある」

アギーレ
オリベイラ
名良橋晃
日本代表

次期日本代表監督として、いろいろな指導者の名前がメディアで取り上げられています。ボクは“日本らしさ”を引き出せる方に監督になってほしい。これまでのスタイルを踏襲し、継続性のある強化をしてくれる方に就任してほしいと考えています。

3月27日にチュニジア戦(@大銀ドーム)があるからといって、慌てて選ぶ必要はありません。2010年にはザッケローニ監督の就労ビザ取得が遅れた関係で、当時日本サッカー協会の技術委員長だった原さん(現専務理事)が監督代行を務めました。新監督の選任には、期限を設ける必要はありません。バタバタしたなかで選択すると、今後にどんな問題が出てくるかわかりません。

次期監督はおそらく外国人監督になると予想されますが、日本サッカー協会が選ぶコーチングスタッフのなかに日本人コーチが含まれていることを期待します。代表チームの強化とともに、日本人指導者の育成も同時に考えなくてはいけません。ザッケローニ氏のときに関塚監督、アギーレ氏のときに手倉森監督がコーチを務めたように、次期監督のスタッフにも日本人の指導者を入れてほしいです。

新監督候補として何人か名前があがっていますが、ボクは以前に鹿島を率いていたオリベイラ氏がいいのではないかなと思っています。日本人の特性をわかっているし、Jリーグでの指導経験があります。これまで日本代表が培ってきたスタイルを継続してくれるだろうし、勝負に対する厳しさがあり、“勝ち方”を知っている監督です。

かつてセリエAのローマを指揮し、攻撃的なサッカーを展開したスパレッティ氏の名前もあがっています。攻撃の引き出しが多く、実際に日本代表を率いたなら、どんなチームを作ってくれるか楽しみです。いまの日本代表はある程度のスタイルができあがっていて、ポゼッションしたなかから崩せるし、タテに早いカウンターを仕掛けることもできます。このカタチを継続しつつ、スパレッティがどんな要素を加えるか。そういった意味でなら、ちょっと見たい気もします。

アジアカップで日本代表は準々決勝で敗れましたが、ボクはこのタイミングでの敗戦でよかったなと思っています。アジアのサッカーは間違いなくレベルがあがっています。6月からスタートするW杯予選で致命的な敗戦を喫するよりは、アジアカップを軽視するという意味ではありませんが、新チームになった早い段階で負けておいてよかった。今回の敗戦が複雑な問題を抱えて進んでいた日本サッカーが立ち直るキッカケになればいいなと思っています。

3月7日には2015Jリーグが開幕します。J1は2ステージ制になり、短期決戦でステージ優勝が決まります。序盤5試合がとても大切で、連勝したチームは勢いに乗り、そのまま上位をキープできる可能性が高い。一方、出遅れたチームはステージ終盤戦になって追い上げるのは難しいかもしれません。

2ステージ制といっても、シーズンの最後にはチャンピオンシップが行われます。年間勝点がもっとも多いチームがシードされるため、一試合一試合をしっかり戦って確実に勝点を積み上げていくことが重要です。Jリーグはアウェイでも攻撃的に戦い、カウンターを受けて失点して勝点を取りこぼすケースが見られます。各ステージでの順位を意識しすぎると、年間順位に影響が出てきます。これは残留争いにも当てはまります。アウェイでは引分けでもいいからとにかく勝点を取る。そういう考え方も必要になってくるでしょう。
こうしたレギュレーションを考えると、たとえ1stステージの序盤で出遅れても慌てないことです。目標をどこに置いて、どういうスパンでチームを仕上げていくのか。各チームがどんな戦いを見せるのか、非常に興味深いです。

ACLに出場する4チーム、G大阪、浦和、鹿島、柏は過密日程のなか戦っていかなければなりません。アジアの他国をみれば、ACL出場チームには国内リーグの試合日程をうまく調整し、融通を利かせています。Jリーグも同じように、中2日をせめて中3日に変更するなど、臨機応変な判断をしてもいいと思います。1日の差はすごく大きいので、なんとか やりくりしてJリーグ勢がACLで活躍できる環境を作ってあげてほしいです。

G大阪、浦和は間違いなく戦力アップしています。他にも、川崎は“風間スタイル” が浸透してきました。鹿島には柴崎、昌子、カイオなど成長著しい若手がいます。また、新たに吉田監督が就任した柏はどんな戦いを見せるでしょうか。その柏を昨シーズンまで率いていたネルシーニョ監督は、今季から神戸を指揮します。J2から昇格した湘南、松本、山形はいずれもハードワークするチームです。昨年J2で見せた戦いができるかどうか、個人的にこの3チームには注目しています。

J2をみても、名波監督の磐田、井原監督の福岡は果たしてどうなるのでしょうか。岡山には加地、岩政と2人のベテランが加わりました。稲本、ナザリトを補強した札幌も面白い存在です。質の高い選手が多いうえ、Jリーグでの采配経験があるアウトゥオリ監督を招聘して充実しているC大阪ですが、厳しい戦いを強いられるかもしれません。

ちょっと考えただけでも、これだけの見どころがあります。いったいどんなシーズンになるのか──。ボクはいま、Jリーグの開幕を心待ちにしています。

構成・飯塚健司
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